事業モデル
同社は、銅、金、銀、鉛、錫、パラジウムといった非鉄金属の製錬・販売を基盤とする金属事業を展開しています。これに加え、銅加工品や電子材料などの高機能製品、超硬製品を含む加工事業、さらには地熱や水力発電などを行う再生可能エネルギー事業を幅広く展開する多角的な事業構造を有しています。
特に資源循環の推進に注力しており、家電リサイクルから伸銅品までのバリューチェーンを活用したE-Scrapの処理能力を強みとしています。また、欧州における資源循環事業の統括など、グローバルなネットワークを通じて環境負荷の低減と経済的価値の両立を目指すビジネスモデルを構築しています。
KPI
当連結会計年度において、同社は量から質への経営転換を進め、売上高1兆8,440億53百万円に対し、営業利益は前年度比63.0%増の605億2百万円を計上しました。経常利益も前年度比62.0%増の975億56百万円と大幅な伸長を見せています。
特に高機能製品セグメントでは、銅加工事業における販売数量の増加や価格上昇の影響を受け、営業利益が前年度比272.6%増となるなど顕著な成長を遂げました。また、加工事業においても、新子会社の統合や値付け効果により、営業利益が前年度比84.9%増と大幅に改善しています。
成長ドライバー
中期経営戦略において「資源循環ビジネスで未来を創る企業へ」という基本方針を掲げ、2035年度に向けたE-Scrap処理量の倍増や、タングステンリサイクル率の向上を目標としています。特に銅精鉱の供給量に限界がある中、収益性の高い二次原料へのシフトが成長の鍵となります。
また、超硬製品や高機能製品のグローバル展開を加速させることで、世界的な需要を取り込む戦略を推進しています。研究開発活動においても、リサイクル技術やGHG削減技術の基盤強化に注力し、サーキュラーエコノミーへの貢献を通じた新価値の創出を目指しています。
リスク
事業運営における主要なリスクとして、資源循環の遅れによる成長機会の逸失や、原材料調達における不確実性が挙げられています。特に、世界的な環境規制の強化に伴うカーボンニュートラルへの対応は、将来的なコスト増大や競争力の低下に直結する重要な課題と認識されています。
また、少子高齢化による労働人口の減少に伴う人的資本の確保も重要なリスクとして特定されています。高度な専門性を要する人材の確保や育成が困難になる場合、海外展開を含む事業成長に支障をきたす可能性があるため、同社は人的資本の強化に向けた施策を推進しています。
競合
同社は非鉄金属分野において、独自の製錬技術と高度なリサイクル技術を融合させた強みを持っています。特にE-Scrapの集荷・処理能力においては世界トップクラスの規模を有しており、競合他社に対する優位性を構築しています。
また、タングステンなどのレアメタルにおいても、2024年度の買収を通じて世界最大級のスクラップ処理能力を獲得しました。これらの資源循環スキームをグローバルに展開することで、原材料供給の不安定化や環境規制といった外部要因に対する耐性を高め、市場での地位を確立しています。
バリュエーション
2026年8月10日時点の株価は5,112円であり、同日の時価総額は約6739.0億円となっています。この時点におけるPERは16.61倍、PBRは0.92倍と算出されています。
また、同日のデータに基づく配当利回りは2.60%となっており、安定した還元姿勢を示しています。これらの指標は、同社が推進する構造改革や資源循環への投資に対する市場の評価を反映しているものと考えられます。
