事業モデル
同社は独自の技術を用いた「都市鉱山」からの貴金属回収と、エッチング廃液の再資源化による銅の回収を主軸とする循環型ビジネスを展開しています。
特に貴金属事業では、高度な溶媒抽出法により金や銀などの高付加価値素材を精製し、電子部品メーカー等へ供給する強固な体制を有しています。また、環境事業においては廃液から銅を回収するとともに、副産物として水処理剤などを販売する多角的な展開を行っています。
さらに、計測データ処理や品質管理支援を行うシステム事業を展開しており、製造現場の高度化を支えるソリューションを提供しています。
KPI
当連結会計年度において、貴金属事業は金価格の上昇を背景に売上高が約72.7億円、セグメント利益が前年比111.9%増と大幅な成長を記録しました。
一方で環境事業は銅の生産数量減少により減収減益となったものの、システム事業やその他の運輸関連事業が安定した基盤を提供しています。当期は売上高約86.9億円、営業利益約4.9億円を計上しており、主要な資源価格の動向と技術による付加価値が業績に寄与しています。
成長ドライバー
将来の成長の柱として、リチウムイオン電池(LiB)の回収・精製からレアメタルを取り出す新事業への投資を加速させています。
この事業に向けた設備投資は2025年5月までに総額95億円まで拡大される見込みであり、2028年4月の量産稼働開始に向けて研究開発と提携を推進しています。独自の技術による高回収率の実現と、自動車関連や生成AI分野の需要拡大を取り込むことで、事業構造の転身を図っています。
リスク
主要なリスクとして、電子部品市場の動向や貴金属・銅といった国際的な資源相場の変動が業績に直接的な影響を与える可能性が挙げられます。
また、特定の取引先に対する高い依存度を解消するための新規顧客開拓や、LiB再生事業による収益基盤の多角化が重要な課題となっています。さらに、高額な有利子負債に対する金利変動リスクへの対応や、化学物質に関連する厳格な法令遵守も継続的な管理項目です。
競合
同社は独自の溶媒抽出技術や高度な精製プロセスを武器に、競合他社との差別化を図る「市場創造型」の立ち位置を確立しています。
特にリサイクル技術における高い専門性は、資源循環社会への貢献という社会的要請の中で強みとなります。特定の取引先への依存度を下げるため、独自の技術力を背景とした積極的な営業活動と新規事業の創出により、競争優位性の維持を図っています。
バリュエーション
最新の市場データにおいて、同社の株価は2,395円、時価総額は約120.7億円となっています。
PERは18.20倍、PBRは2.22倍と算出されており、将来のLiB事業への投資に対する期待が織り込まれている構造です。配当利回りは0.48%となっており、現在は成長に向けた設備投資や研究開発に資金を重点配分するフェーズにあることが伺えます。