事業モデル

同社は独自の技術を用いた「貴金属事業」と、廃液から銅を回収する「環境事業」、およびデータ処理を行う「システム事業」を展開しています。特に貴金属事業では、電子部品や歯科用材料から金、銀、白金などを精製し、国内商社や電子材料メーカーへ販売する強固なスキームを有しています。

環境事業においては、プリント基板製造工程で発生する廃液を再資源化し、銅粉などの副産物を回収・販売することで循環型モデルを構築しています。また、システム事業では品質管理の高度化に向けたソリューションを提供しており、多角的な事業ポートフォリオを展開しています。

KPI

当連結会計年度において、売上高は8,685,989千円(前年比9.0%増)を記録し、営業利益は492,944千円(同67.9%増)と大幅な増益となりました。この成長の背景には、金などの主要製品の相場上昇や、製造工程の効率化によるコスト低減の寄与があります。

一方で、特別利益の計上があった前年と比較して、当期純利益は300,240千円(同19.2%減)となりました。セグメント別では、貴金属事業が売上高7,267,727千円、環境事業が1,202,378千円と、全体の売上構成において貴金属事業が大きな比重を占めています。

成長ドライバー

成長の柱として、リチウムイオン電池(LiB)再生事業への注力と大規模な設備投資を推進しています。同事業は2028年4月の量産稼働開始に向けた準備が進んでおり、2025年5月には設備投資額をさらに25億円増額し、総額95億円を投じる方針です。

この新事業では、高度な技術によるレアメタルの高回収率と低炭素プロセスの両立を目指しています。既存の貴金属・環境事業で培ったリサイクル技術を基盤としつつ、次世代電池市場の需要を取り込むことで、収益基盤の多角化と成長性の確保を図る戦略です。

リスク

主なリスク要因として、電子部品やプリント基盤といった主要顧客が属する業界の需給動向、および貴金属や銅などの国際的な相場変動による影響が挙げられます。特に特定の取引先への依存度が高いため、競争激化に伴うコストダウン要求への対応が課題となります。

また、財務面では有利子負債の総資産に対する依存度が40.72%と高く、金利動向や財務制限条項への抵触リスクを管理する必要があります。さらに、化学薬品の使用に伴う法令遵守や、生産拠点の集中による自然災害等のリスクに対し、体制整備や事業継続力強化に向けた取り組みを実施しています。

競合

同社は独自の「ハイエクト装置」を用いた溶媒抽出法など、高度な技術力を武器に競合他社との差別化を図っています。特に貴金属の精製や環境事業における廃液の再資源化において、高い技術的優位性を保持しているとみられます。

市場内では、リサイクル需要の高まりに伴う競争激化や、顧客からのコスト削減要求が強まる傾向にあります。これに対し、同社は独自の技術による高付加価値な製品提供と、LiB再生事業のような新規領域への参入を通じて、競合優位性の維持と市場シェアの確保を目指しています。

バリュエーション

2026年8月10日時点の株価は2,740円であり、同日の時価総額は約121.5億円です。この時点でのPERは18.32倍、PBRは2.23倍となっており、市場からの評価を反映しています。

また、同日時点の配当利回りは0.50%と算出されています。投資判断にあたっては、これらの指標に加え、LiB再生事業への先行投資による将来的な収益性の向上を見極めることが重要となります。