事業モデル

同社は金属チタンを主軸とするチタン事業と、高純度チタンや粉末チタン等の高機能材料を展開する高機能材料事業の2つのセグメントで構成されています。チタン事業ではスポンジチタンやチタンインゴットを製造し、航空機向けなどの高度な産業プロセスへ供給しています。

高機能材料事業では、チタン製錬の過程で生じる中間生成物や、半導体・リチウム二次電池等の先端分野に向けた新用途開発品を提供しています。両事業ともに、世界的な需要動向に左右されながらも独自の技術力と品質保証体制による差別化を図っています。

KPI

当事業年度の売上高は46,952百万円となり、前年同期比で9.6%の減収となりました。チタン事業の売上高は40,444百万円(同10.6%減)、高機能材料事業は6,507百万円(同2.5%減)を記録しています。

利益面では、営業利益が5,524百万円(前年同期比45.2%減)、当期純利益が2,576百万円(同63.7%減)となりました。チタン事業における国内向け販売の減少や、輸出向けの価格フォーミュラによる影響が収益に反映されています。

成長ドライバー

中期経営計画「OTC 2030」に基づき、チタン事業では新工場の稼働による生産能力を年間4万トンから5万トンへ増強する方針です。これにより航空機需要の拡大に対応し、グローバルな市場におけるプレゼンスの向上を目指しています。

また、高機能材料事業においては、チタン事業で得た収益を再投資することで半導体や環境分野などの成長分野への変革を図ります。特に3Dプリンタ向けの球状チタン粉末やリチウム二次電池向け素材など、次世代の技術領域での価値向上に注力しています。

リスク

航空機需要は堅調な推移が見込まれる一方で、サプライチェーンにおける在庫調整の影響や、地政学的リスクによる資源・エネルギー価格の高騰が経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、原材料の調達コストや輸送費の変動も重要な懸念事項です。

為替面では、輸出売上高の約76.3%が米ドル建てであるため、円高への振れが収益を圧迫するリスクがあります。さらに、電力供給の制限や価格の高騰、およびサイバー攻撃による機密情報の流出といった運営上のリスクにも対応が必要です。

競合

チタン事業においては、国内外に競合他社が存在しており、新製品の登場や価格競争の激化、低価格品への需要シフトが常に発生する環境にあります。これに対し同社は、独自の生産技術と品質保証体制を武器に差別化を図っています。

高機能材料分野においても、特定の用途に向けた高度な技術力が求められるため、競合との差異化が重要となります。特に航空機産業の成長を支えるキープレイヤーとしての地位確立を目指し、供給能力の確保と製品の付加価値向上を追求しています。

バリュエーション

2026年8月10日時点の株価は2,877円であり、同日の市場データに基づく時価総額は約1104.0億円です。この際のPERは42.92倍、PBRは2.49倍となっています。

配当利回りは0.43%となっており、投資家に対しては成長期待を織り込んだ評価となっています。これらの数値は、同社が推進する生産能力の拡大や高機能材料への戦略的なシフトを反映した市場の評価とみられます。