事業モデル

同社は電線・加工品および電子・医療部品の2つの主要セグメントを展開しています。電線・加工品では、サーバーやストレージ用ケーブル、医療機器用ケーブル、半導体検査装置用ケーブルなど、高度な技術を要する製品を主力としています。

電子・医療部品セグメントでは、放送用光中継器やEV向けAC普通充電器、医療用特殊チューブなどの製造・販売を行っています。これらの事業は、同社が長年培ってきた電線・ケーブル押出技術を基盤としており、高度な信頼性が求められる分野で強みを発揮しています。

KPI

当連結会計年度の売上高は384億23百万円となり、前年同期比で24.7%の増加を記録しました。これに伴い、営業利益は44億16百万円(同94.7%増)、経常利益は46億39百万円(同81.4%増)と大幅な伸長を見せています。

一方で、当期純利益は16億42百万円となり、前年同期比では18.9%の減少となりました。この要因には、吉野川電線の連結子会社化に伴う負ののれん発生益や投資有価証券の売却益がある一方、約24億円の減損損失が発生したことが影響しています。

成長ドライバー

成長戦略として、車載、医療、産業機器の3つのコア事業への資源集中と、ソーラーケーブル事業の収益性向上を掲げています。特に生成AIの普及に伴うデータ処理需要の増大を受け、HPC(High Performance Cable)を軸とした市場開拓を推進しています。

また、フィリピンの新拠点を構築することで、車載用ケーブルの需要拡大に対応した生産力と品質保証力の強化を図っています。さらに、高度な技術が求められる半導体検査装置用や医療向けマシンビジョンカメラ用の高付加価値製品の開発にも注力しています。

リスク

原材料となる銅の価格変動や、石油化学製品の調達コスト上昇が業績に与える影響を重要なリスクとして認識しています。これに対し、複数社との価格交渉や自社配合による安定供給体制の構築により、リスクの低減に努めています。

また、為替レートの変動や海外拠点の運営における法的規制、地政学的リスクも経営上の課題です。特に電気用品安全法などの遵守や、知的財産権の侵害・保護に関する管理を徹底することで、事業継続への影響を最小限に抑える体制を構築しています。

競合

同社は、高度な技術が要求されるニッチかつ高付加価値な市場において独自の地位を築いています。特に医療用チューブや半導体検査装置向けの高精度ケーブルなど、高い信頼性が求められる分野での強みを持っています。

競合環境に対しては、価格競争が激しい汎用品については海外生産によるコスト削減で対応し、高機能・高精度な製品は国内生産に充てるというグループ内分業体制を構築しています。この戦略により、品質の確保とコスト競争力の両立を図り、市場ニーズへの適応を図っています。

バリュエーション

2026年8月10日時点の株価は3,455円であり、同日の時価総額は約520.0億円となっています。この際のPERは31.54倍、PBRは1.17倍と算出されています。

また、同日のデータに基づく配当利回りは1.73%です。これらの指標は、同社が成長分野への投資や技術開発を積極的に進める姿勢を反映した水準となっています。