事業モデル

同社グループは、かかりつけの動物病院からの紹介に基づく完全紹介制の「二次診療」を中核として展開しています。専門的な獣医師と高度な医療機器を活用し、手術や投薬を含む高度な治療を提供しており、連携病院数は2026年3月時点で4,779施設に達しています。

さらに、子会社を通じてMRI・CTを用いた画像診断サービスや、在宅ケアのための医療機器のレンタル・販売も提供しています。これら複数の事業を統合した「動物医療プラットフォーム」として、高度な診療データとノウハウを活用した価値提供を行っています。

KPI

当連結会計年度において、初診数は前年比9.2%増の10,953件、総診療数は8.6%増の37,985件を記録しました。手術数も前年比11.0%増の3,404件に達しており、診療件数と単価の両面で成長が見られます。

また、画像診断サービスにおける検査件数は前年比9.0%増、在宅ケア向けのレンタル契約数は前年比6.1%増となりました。これらの好調な推移により、売上高は前年比17.3%増の6,192,468千円、営業利益は59.5%増の1,150,238千円と大幅な増益を達成しています。

成長ドライバー

成長の源泉として、高度医療への需要の高まりに加え、診療フローの見直しや次世代型電子カルテの導入によるオペレーションの最適化が挙げられます。特に、価格改定を実施したにもかかわらず診療件数が増加している点は、提供価値の高さを示唆しています。

また、2026年3月には九州・福岡エリアでの事業用地取得を完了しており、拠点の拡大に向けた動きも加速しています。さらに、グループ内でのCRM統合やブランド戦略の推進により、連携病院との関係強化とシナジーの最大化を図る方針です。

リスク

事業環境としては、飼育動物の頭数の動向が影響するものの、高齢化による疾病の多様化やペット保険の普及により高度医療へのニーズは高まっています。一方で、専門性の高い獣医師などの優秀な人材の確保と育成、および定着が重要な課題として認識されています。

また、新規施設の展開における建設費の高騰や人件費の上昇による投資コストの増大もリスク要因となります。さらに、高度医療機器の導入が進む他施設との競争環境の変化や、診療サービスの過誤による社会的評価への影響にも注意が必要です。

競合

同社は、単なる動物病院ではなく、複数の専門診療科を擁する「総合診療施設」としての立ち位置を明確にしています。この多角的なアプローチにより、高度な医療技術とチームでの診療体制を強みとして競合他社との差別化を図っています。

参入障壁が高い二次診療領域において、国内最多の画像診断や診療データを保有していることが大きな優位性となります。今後も、データ活用による連携病院への支援強化や、独自の教育・研究環境の提供を通じて、市場における地位を強固にする方針です。

バリュエーション

2026年8月10日時点の株価は1,049円であり、同日の時価総額は約128.1億円となっています。この時点でのPERは15.36倍、PBRは2.62倍と算出されています。

また、同日のデータに基づく配当利回りは1.31%です。これらの指標は、成長性の高い高度医療分野における事業基盤の強固さを反映しているものとみられます。