事業モデル

同社は自社開発の数値制御装置(NC装置)を基盤に、機械・電気・情報・知識創造を融合させた「機電情知」の技術を強みとしています。単なる工作機械の販売にとどまらず、加工技術やスマートファクトリー構築のノウハウを含む「ものづくりサービス」を提供しています。

このモデルは、ハードウェアからソフトウェア、さらにはアフターサービスまでを一貫して提供するトータルレスポンシビリティを特徴としています。特に自動化・省人化ニーズに応えるための高度なソリューションを展開し、顧客の製造現場における課題解決に寄与しています。

KPI

当連結会計年度において、連結売上高は235,888百万円(前期比14.1%増)を記録し、過去最高を更新しました。これに伴い、連結営業利益は15,505百万円(前期比5.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は12,554百万円(前期比30.9%増)となりました。

また、海外売上高の割合は73.3%に達しており、目標としていた「グローバル70」を達成しています。一方で、営業利益率やROEなどの資本効率指標については、中期経営計画2025の目標水準には至っていないものの、受注単価の向上など着実な進捗が見られます。

成長ドライバー

成長の柱として、高度な自動化・省人化技術を搭載した「Green-Smart Machine」のグローバル展開を推進しています。特に航空、宇宙、防衛関連といった高付加価値分野での需要獲得に注力しており、これらの領域における設備投資は堅調に推移しています。

また、国内では拠点の再開発を通じて生産能力の向上と自動化ラインの集中生産体制を構築しています。2026年5月には「Global Innovation Center」を開設し、次世代の自動化や顧客との共創によるソリューション開発を加速させる体制を整えています。

リスク

主要な売上構成比が海外に依存しているため、各地域の経済状況や地政学的リスク、特に米国を中心とした貿易政策の変動が業績に影響を与える可能性があります。また、原材料費や輸送コストの高騰、為替・金利の変動といった外部要因による収益性の低下も懸念される要素です。

さらに、サイバーセキュリティに関するリスクへの対応も重要課題とされています。過去には海外子会社のサーバーに対する不正アクセスが発生しており、今後も継続的な対策を通じて情報システムの安全性を確保し、事業活動への影響を最小化する取り組みが求められています。

競合

同社は、自社でNC装置を開発できる世界有数の総合工作機械メーカーとしての地位を確立しています。競合他社と比較して、ハードからソフトまでを一貫して提供する「ものづくりサービス」の範囲の広さが独自の優位性となっています。

市場環境としては、労働力不足や人手不足を背景とした自動化・省人化への需要が世界的に高まっています。同社はこうしたトレンドに対し、5軸制御マシニングセンタや複合加工機などの工程集約型機器を提案することで、競争力の強化を図っています。

バリュエーション

2026年8月10日時点の株価は5,520円となっており、同日の時価総額は約3276.1億円です。この時点におけるPERは26.81倍、PBRは1.30倍と算出されています。

また、同日のデータに基づく配当利回りは2.15%となっています。これらの指標は、同社が成長投資を継続しながらも一定の評価を得ている現状を示しています。