事業モデル

同社は、建設機械や産業機械向けの油圧フィルタ、および空気の浄化を行うエアフィルタの開発・製造・販売を主軸としています。独自の「ろ材」を内製化することで、顧客の多様な仕様に合わせた製品設計と提供を実現しています。

特に主力である建機用フィルタにおいては、長年のノウハウに基づく回路知識を活かした差別化を図っています。また、ナノファイバー量産技術の確立により、既存のフィルタ事業だけでなく機能素材などの新領域への展開も進めています。

KPI

当連結会計年度の売上高は209億41百万円となり、前年同期比で4.2%の増収を記録し、創業以来過去最高を更新しました。一方で営業利益は25億92百万円(同1.4%減)、経常利益は25億35百万円(同5.0%減)となっています。

売上高の内訳では、建機用フィルタ事業が6.7%の増収となった一方、エアフィルタ事業はシステム刷新の影響により12.5%の減収となりました。この差異により、連結での営業利益および経常利益は微減または減少の推移となっています。

成長ドライバー

成長の柱として、ナノファイバーを用いた次世代製品の採用拡大と、それを利用した機能テキスタイルやライフサイエンス等の新規事業への参入を掲げています。2027年3月期より本格始動する新事業は、企業価値向上に向けた重要な戦略要素です。

また、北米市場におけるシェア拡大や、高付加価値なナノファイバー製エアフィルタの直販体制構築も推進しています。これらの取り組みを通じて、既存の強固な基盤を維持しながら、新たな収益源の確保と事業ポートフォリの多角化を目指しています。

リスク

売上高の約9割を占める建機用フィルタ事業は、建設機械市場の動向や技術革新による代替リスクにさらされています。また、新興国における模倣品や廉価品の台頭が、シェア獲得に向けた課題となる可能性があります。

さらに、原材料価格の高騰や物流コストの上昇といった外部環境の変化も経営への影響要因となります。加えて、海外拠点が多いため、地政学リスクや自然災害による生産・供給の停滞、および為替レートの変動による業績への影響にも注視が必要です。

競合

同社は「ろ材」の内製化と長年のノウハウを武器に、建設機械メーカー向けの純正部品として強固な地位を築いています。特に油圧回路に関する深い知見が、競合他社との差別化要因となっています。

一方で、新興国市場における安価な模倣品の台頭は脅威となる可能性があります。これに対し同社は、高品質な製品の安定供給と、ナノファイバー等の次世代技術による高付加価値化を通じて競争優位性を維持する戦略をとっています。

バリュエーション

2026年8月12日時点の市場データにおいて、株価は538円となっており、時価総額は約386.8億円です。この時点でのPERは22.57倍、PBRは1.70倍と算出されています。

また、同日のデータに基づく配当利回りは3.60%となっています。これらの指標は、同社が掲げる「YAMASHIN FILTER VISION 2030」に向けた成長への期待を反映する内容となっています。