事業モデル
同社は「精密部品事業」と「機能材料事業」の二つの柱で構成される事業を展開しています。精密部品事業では、半導体やFPD(フラットパネルディスプレイ)の製造工程において極めて高い精度や耐環境性が求められる真空部品などを提供しています。
機能材料事業では、高純度アルミの製造能力を活かしたスパッタリングターゲット用材料や、半導体装置向けの大型真空チャンバーなどを手掛けています。特に高度な加工技術が必要な分野において強みを持っており、素材から製品まで幅広い領域をカバーする体制を構築しています。
KPI
同社は中期事業計画「Fusion2028」において、生産手法や管理手法の革新を測る指標として投下資本利益率(ROIC)を採用しています。この目標値はグループ全体で15%に設定されています。
当連結会計年度におけるROICは6.7%となっており、今後の経営課題としてさらなる向上を目指す方針です。また、精密部品事業では高い技術力を背景とした高付加価値製品の提供により、安定的な受注獲得と収益性の確保を追求しています。
成長ドライバー
成長の源泉は、半導体製造プロセスにおいて一度採用されると長期間継続する「消耗品」の需要にあります。特にプラズマにさらされる環境下で使用される部品は定期的な交換が必要なため、設備投資動向に左右されにくい安定した収益基盤を構築しています。
また、2025年4月に参入した機能材料事業とのシナジー創出も重要な成長因子です。新素材・新技術の創出に向けた研究開発や、リハビリ装置、ハイブリッドロケット部品といった新規分野への進出を通じた事業領域の拡大を推進しています。
リスク
主要なリスクとして、半導体やFPD業界特有の景気サイクルによる需要の急激な変動が挙げられます。これに対し同社は、設備投資に左右されにくい消耗品などの安定的な販売が見込める分野への注力により、影響を最小限に抑える対策を講じています。
また、原材料となるアルミ等の調達における地政学リスクや価格高騰も重要な課題です。特に機能材料事業で用いる超高純度アルミは供給元が限定されているため、複数社との契約による安定的な調達体制の構築とコスト管理の徹底を進めています。
競合
精密部品事業においては、参入障壁の低い案件では激しい価格競争にさらされる環境にあります。同社はこの課題に対し、高度な技術を要する真空パーツへの注力や、独自の加工手法による生産性向上を通じてコスト競争力の維持を図っています。
一方で機能材料事業における半導体用アルミ部材は、競合他社が少なく現状では価格競争が生じにくい環境にあります。しかしながら、将来的な競争激化や為替変動の影響を考慮し、徹底した原価管理と品質管理の強化を通じて優位性を維持する方針です。
バリュエーション
2026年8月12日時点の市場データにおいて、同社の株価は2,086円となっています。この時の時価総額は約571.1億円であり、PERは33.78倍、PBRは3.76倍と算出されています。
また、同日のデータに基づく配当利回りは2.21%となっています。これらの指標は、同社が持つ高度な技術力や将来の成長期待を反映した水準となっており、投資判断の基礎となります。
