事業モデル
同社は、各種プラントや産業用設備のコンサルティング、設計、施工、調達、試運転までを一貫して提供する総合エンジニアリング企業です。受注生産方式を採用しており、高度な技術の統合と各拠点の機能を最適に組み合わせることで、顧客の多様なニーズに対応しています。
事業は「エンジニアリング事業」と「その他の事業」に区分され、前者は主要事業としてエネルギーや環境関連設備を担います。後者では、財務・会計コンサルティングやITシステムの開発、技術系・事務系の人材派遣など、バックアップ機能を支える役割を担っています。
KPI
当連結会計年度の受注工事高は、前連結会計年度比41.1%増の2,980億24百万円に達しました。これに対し、完成工事高は同期間で8.1%増の4,939億42百万円を記録しています。
収益性については、完成工事総利益が前年度比で大幅に増加し、利益率は20.4%へと向上しました。営業利益も前連結会計年度と比較して576億80百万円の増加を見せており、主要案件の順調な進捗が寄与しています。
成長ドライバー
「経営計画2025」において、大型プロジェクトへの集中から脱却し、収益の安定化と多様化を目指す「自己変革」を推進しています。10年後には非EPC事業の比率を20%まで高め、より強固な経営基盤の構築を目指す方針です。
成長の源泉として、脱炭素トレンドを見据えた水素やアンモニアなどのクリーンエネルギー分野への注力があります。また、ライフサイエンス分野では、医薬品プラントの知見を活かしたバイオ分野のソリューション提供など、高付加価値な領域での事業拡大を図っています。
リスク
地政学的リスクの高まりによるサプライチェーンの混乱や、エネルギー・資源価格の変動が業績に影響を与える可能性があります。特に中東情勢などの不安定な国際情勢は、工事の遅延や資材コストの高騰を招く要因として認識されています。
また、プラント建設における機器資材費の急激な高騰に対し、調達先の多様化や早期発注によるリスク低減策を講じています。さらに、深刻な人手不足や工事従事者の確保困難といった課題に対しても、モジュール工法の採用など施工手法の工夫で対応を図っています。
競合
同社は、世界約60の国と地域で300を超えるプロジェクト実績を持つ、強固な顧客基盤と技術力を有するエンジニアリング企業です。特にLNGや石油・石油化学分野において、設計から施工までを一貫して遂行できる高度な総合力が競争優位性の源泉となっています。
ライフサイエンス分野においても、1960年代から積み上げた豊富な実績を基に、医薬品プラ100件以上の知見を活用しています。競合環境に対し、単なる建設だけでなく、技術開発やメンテナンスまでを含む広範なソリューション提供により差別化を図っています。
バリュエーション
最新の市場データにおいて、同社の株価は675円となっており、時価総額は約1,749.4億円です。PERは8.32倍、PBRは1.54倍と算出されています。
これらの数値は、現在の事業規模と将来の成長期待を反映した水準となっています。投資判断にあたっては、同社が推進する「経営計画2025」に基づく収益構造の変革プロセスを注視する必要があります。