事業モデル

同社は真空技術を核とした「真空技術応用装置」および、関連する構成部品・付属品の販売、修理などの「サービス」を展開しています。主な製品は水晶デバイスや光学デバイス、電子部品の製造に使用される真空蒸着装置やスパッタリング装置です。

事業は、高度な成膜技術を必要とするデバイスメーカー向けに提供されており、特に高品質なカスタムメイドの装置を提供することで顧客のニーズに応えています。また、子会社を通じて中国を含むアジア圏での販売・保守体制を構築しており、グローバルな供給体制を整えています。

KPI

当連結会計年度における売上高は93億24百万円となり、前年同期比10.0%の増収を記録しました。一方で受注高は60億62百万円と、前年同期比41.0%減となっており、一部案件の次期持ち越しなどが影響しています。

利益面では、経常利益が11億71百万円(同39.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が8億67百万円(同54.3%増)と大幅な増益を達成しました。特に真空技術応用装置事業において、受注高は減少したものの売上高およびセグメント利益が前年比で大きく伸長しています。

成長ドライバー

成長の源泉は、AIサーバーや次世代通信規格(5G)、自動車の電装化といった先端分野における高度な電子部品需要の拡大にあります。これらの技術革新は、同社の強みである真空技術の応用範囲を広げる機会となっています。

研究開発面では、水晶デバイス向けのウエハプロセス化への対応や、AR・VR向け光学部品の量産に向けたパイルライン構築など、次世代製品への投資を継続しています。また、受託実験体制の強化を通じて顧客の開発支援を加速させ、新規の装置製造ニーズを取り込む戦略をとっています。

リスク

主要なリスクとして、デバイスメーカーの設備投資動向が直接的に業績に影響する点が挙げられます。特にスマートフォンやデジタル家電の需要変動により、受注の急激な増減やキャンセルが発生する可能性があります。

また、電子部品市場における価格競争の激化による販売価格の下落や、原材料・資材調達におけるコスト高騰も課題です。さらに、高度な技術革新への対応に伴う開発期間の長期化や、海外事業における地政学的リスク、為替変動などの影響にも注力して取り組んでいます。

競合

同社はアルバックグループの一員として、同じ真空機器事業を展開する関連企業と密接な協力関係にあります。両社は製品のターゲット層や技術的特性が異なるため、現状では競合することはほとんどありません。

しかしながら、市場規模の拡大や通信技術の進展に伴い、新たな装置製造ニーズが発生する領域においては、共通の技術領域で競合が生じる可能性があります。これに対し、同社はグループ内での役割分担を明確にしつつ、独自の強みを持つニッチトップ分野の確立を目指しています。

バリュエーション

最新の市場データにおいて、株価は1,790円、時価総額は約110.6億円となっています。PERは12.74倍、PBRは0.91倍と算出されており、割安な水準で評価されています。

配当利回りは3.91%となっており、安定した収益基盤を背景とした株主還元の継続を目指しています。これらの数値は、同社の強固な技術基盤と成長分野への適応力を反映したものと考えられます。