事業モデル

同社は、真空技術を核とした高度な薄膜形成装置の製造・販売を主軸としています。具体的には、水晶デバイス、光学デバイス、電子部品などの分野に向けた真空蒸着装置やスパッタリング装置を提供しています。

また、製品の販売だけでなく、構成部品や付属品の提供、さらにはカスタマイズ対応を含む改造工事や修理といったサービス事業も展開しています。これらの活動を通じて、顧客の生産性向上に寄与する包括的なソリューションを提供しています。

KPI

当連結会計年度において、売上高は93億24百万円(前年同期比10.0%増)を記録しました。このうち真空技術応用装置事業では、売上高が70億46百万円(同22.6%増)、セグメント利益が16億61百万円(同66.9%増)と堅調に推移しています。

一方でサービス事業の売上高は22億78百万円(前年同期比16.7%減)となり、受注および売上ともに減少傾向にあります。収益面では、経常利益が11億71百万円(前年同期比39.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が8億67百万円(同54.3%増)と大幅な増益を達成しました。

成長ドライバー

成長の源泉は、AIサーバーや次世代通信規格、自動車の電装化といった先端技術分野における高度な電子部品需要です。特に水晶デバイス分野では、生成AI需要に伴うデータセンター向けサーバー向けの需要増加が追い風となっています。

また、光学デバイス分野においても、AR・VR・MR機器への対応に向けた成膜技術の開発や量産化に向けた取り組みを推進しています。さらに、電子部品の生産ライン効率化を目指すスパッタリング装置やエッチング装置など、多角的な製品展開により新規顧客の獲得と市場シェアの拡大を図っています。

リスク

主要なリスクとして、デバイスメーカの設備投資動向が直接的に業績に影響を与える点が挙げられます。特にスマートフォン等の需要変動や、地政学的リスクによる供給網への影響を注視し、機動的な生産体制の調整を行っています。

また、電子部品市場における価格競争の激化に伴う販売価格の下落リスクや、高度な技術革新に対する研究開発費用の増大も課題です。これに対し、同社は継続的なコストダウンの推進と、2019年に建設した研究開発棟を活用した積極的な技術投資により、収益性の確保に努めています。

競合

同社はアルバックグループの一員として、高度な真空技術を基盤とした製品を展開しています。グループ内の他社とは、ターゲットとするデバイスや必要な技術レベルが異なるため、現状では競合することはほとんどありません。

しかしながら、光学デバイスや電子部品の分野においては、市場規模の拡大や通信技術の進展に伴い、新たな装置製造のニーズが生じる際に競合状況が発生する可能性があります。同社はこれに対し、グループ内での協力関係を維持しつつ、独自の強みを持つニッチな領域での優位性を確立しています。

バリュエーション

2026年8月13日時点の市場データにおいて、株価は1,667円となっています。この時の時価総額は約101.7億円であり、PERは11.72倍と算出されています。

また、同日のデータに基づくPBRは0.84倍となっており、配当利回りは4.13%を記録しています。これらの指標は、同社の安定した事業基盤と成長への期待を反映する水準となっています。