事業モデル

同社は空気やガスの圧縮機を主たる製品として製造販売しており、風水力機械や産業機械などの幅広いラインナップを展開しています。単に機器を販売するだけでなく、設置工事や電気工事、メンテナンスを含むアフターサービスまで一貫して提供する体制を構築しています。

特に水素ステーション向け超高圧圧縮機においては国内トップのシェアを有しており、カーボンニュートラル市場におけるブランド力を確立しています。また、親会社である三井E&Sとの安定した取引関係を維持しながら、独自の意思決定による経営の独立性を確保しています。

KPI

当事業年度の売上高は前年同期比11.4%増の7,799百万円に達し、好調な圧縮機本体販売とアフターサービスが寄与しました。これに伴い、原価低減の取り組みも奏功したことで、売上総利益は同18.5%増の2,411百万円を記録しています。

営業利益は前年同期比49.2%増の925百万円となり、人件費の増加分を上回る成長を見せました。当期純利益も訴訟勝訴による特別利益の計上もあり、前年同期比25.0%増の723百万円と大幅な増益を達成しています。

成長ドライバー

中長期的な成長戦略として「KAJI 2030VISION」を掲げ、超高圧技術を用いたカーボンニュートラル社会への貢献を最優先事項としています。特に水素モビリティ関連や大規模P2Gシステムにおける技術開発に注力しており、実証実験の推進や新シリーズの展開を進めています。

また、アフターサービス(AS)を起点とした循環型ビジネスの確立により、収益力の向上と顧客対応力の強化を図っています。次期中期経営計画では「稼ぐ力の最大化」を掲げ、ASの重点強化や品質プロセス改革を通じて持続的な成長を目指す方針です。

リスク

原材料である鋼材や部材の調達価格が高騰した場合、収益を圧迫するリスクがあるものの、現在は深刻な影響は確認されていません。同社はこれに対し、新規調達先の開拓や調達仕様の見直しを通じてリスク低減に取り組んでいます。

また、高度な技術力を支える専門人材の確保・育成が課題となっており、賃金や評価制度の改革を進めています。さらに、製品の品質管理体制の強化や、サイバー攻撃等による情報システムへの影響に対するセキュリティ対策も重要な経営課題として取り組んでいます。

競合

同社は超高圧技術における高い専門性を武器に、競合他社との価格競争がある中でも差別化された製品提供を目指しています。特に水素ステーション向け圧縮機においては国内トップの地位を築いており、独自のブランド力を構築しています。

市場ニーズに応じた付加価値の高い製品を提供することで、価格競争による影響を最小限に抑える戦略をとっています。研究開発への継続的な投資を通じて、カーボンニュートラル関連の先行市場において優位性を確保する方針です。

バリュエーション

2026年8月13日時点の株価は4,655円となっており、同日の時価総額は約74.4億円と算出されています。この際のPERは10.29倍、PBRは0.87倍となっており、割安な水準で評価されている側面があります。

また、同日時点の配当利回りは1.56%となっています。これらの指標は、同社が持つ強固な技術基盤と成長期待を反映した数値といえます。