事業モデル
同社は印刷機器関連事業を主軸とし、高速インクジェットプリンター「オルフィス」を中心としたインクジェット事業と、デジタル印刷機「リソグラフ」による孔版事業を展開しています。また、インクジェットヘッドの製造・販売を行う子会社を含めた強固な供給体制を構築しています。
その他にも不動産事業や、プリントクリエイト、デジタルコミュニケーション、アプリケーションソフトウェアといった多角的な事業を展開しています。特に印刷機器関連事業においては、国内および海外の両市場で製品を提供しており、独自の技術力を基盤とした事業展開を行っています。
KPI
当連結会計年度における印刷機器関連事業の売上高は773億1千7百万円となり、前年同期比0.4%増と堅調な推移を見せました。一方で同事業のセグメント利益は48億3千8百万円(同18.1%減)となり、販売管理費の増加などが影響しています。
不動産事業の売上高は10億6千1百万円(前年比3.6%増)、セグメント利益は6億4千2百万円(同3.3%増)と安定した推移を記録しました。その他事業については、売上高が6億1千1百万円(前年比6.9%減)となる一方で、3億6千9百万円のセグメント損失を計上しています。
成長ドライバー
中長期的な成長に向けた戦略として、インクジェット事業の収益力の強化と、経営環境の変化に適応した効率的で強い企業体質への変革を掲げています。特に2027年3月期に向けて、独自の技術や製品の特長を活かした販売活動の全世界展開に注力する方針です。
また、新規事業の創出に向けた活動も継続しており、研究開発活動にも年間5,919百万円を投じています。これにはインクジェットや孔版といったコア技術に加え、環境への配慮を考慮した製品設計や、ICTを活用したデジタル教材の提供など多岐にわたる取り組みが含まれます。
リスク
主要なリスクとして、競合他社との価格・性能面での競争激化や、独自の印刷技術に対する革新的な技術の出現による競争力の低下が挙げられます。また、海外事業の比率が高いため、為替レートの変動、特に円高への振れが業績に与える影響も重要な懸念事項です。
さらに、製造拠点を有する中国やタイにおける地政学的リスクや自然災害、さらには製品の欠陥によるリコール等のリスクも特定されています。これらに対し、同社はリスク管理プログラムの策定や保険への加入、情報漏洩防止のための規程整備など、多層的な対策を講じています。
競合
同社の主力である事務用印刷機器関連製品においては、同様の技術を用いた孔版印刷機やインクジェットプリンターとの競合が存在します。また、同一の市場を対象とする複写機やレーザービームプリンターとの競争も想定される環境にあります。
これらの競合環境において、同社は独自の技術革新への対応と製品の差別化を図ることで優位性を維持する方針です。特にインクジェット事業における収益力の強化が、競争環境下での持続的な成長に向けた重要な戦略的焦点となっています。
バリュエーション
2026年8月13日時点の市場データにおいて、同社の株価は1,105円となっており、PERは15.95倍と算出されています。PBRは1.02倍であり、配当利回りは4.56%を記録しています。
これらの数値は、同社が保有する強固な技術基盤と安定した事業基盤を反映しているものと考えられます。投資判断にあたっては、これら指標に加え、インクジェット事業の収益向上に向けた経営方針の進捗を注視する必要があります。
