事業モデル
同社は「金融」「流通・交通」「遊技」「海外」の4つのセグメントにおいて、通貨処理機やセルフサービス機器の製造・販売・保守を展開しています。独自のメカトロ技術と認識・識別技術を核とし、ハードウェアとソフトウェアを融合させたソリューションを提供しています。
特に近年は、人手不足や人件費高騰を背景とした省人化ニーズに応えるため、店舗DXを支援するソフトウェアプラットフォームの提供に注力しています。海外市場では、欧米のリテール市場やアジアの流通市場において、セルフサービス機器の需要を取り込んでいます。
KPI
当連結会計年度の売上収益は339,582百万円となり、前年比で7.9%の減収となりました。このうち、製品および商品売上収益が214,314百万円、保守売上収益が125,268百万円を占めています。
利益面では、営業利益が29,752百万円(前年比29.2%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は15,388百万円となりました。海外市場においては、売上収益・営業利益ともに過去最高を更新しており、成長の柱として機能しています。
成長ドライバー
「2026中期経営計画」に基づき、リテール、金融、飲食の3つの主要市場において、店舗DXを推進するソリューションの拡充を図っています。特に飲食分野では、セルフサービスキオスクやモバイルオーダーなどの次世代型プラットフォームの提供に注力しています。
また、海外事業における成長も重要な柱であり、2025年11月にはAcrelec社を完全子会社化するなど、戦略的な投資を通じてグローバルな展開を加速させています。新領域では、高度な識別技術を活用した分析システムなどの開発を通じ、新たな収益源の獲得を目指しています。
リスク
急速なキャッシュレス化の進展により、同社の強みである現金処理機への依存度が高まることが事業環境上のリスクとして挙げられています。これに対し、ソフトウェアプラットフォームの提供による店舗トータルソリューションの推進で対応を図っています。
また、海外展開における地政学的リスクや為替・金利の変動、サプライチェーンにおける原材料高騰や部品不足も重要な管理項目です。さらに、高度な技術を扱う企業として、知的財産権の侵害や情報セキュリティに関する厳格なガバナンス体制の構築が求められています。
競合
同社は、通貨処理機やセルフサービス機器の分野において、独自のメカトロ技術と識別技術を強みとするポジションを確立しています。特に高度な認識・識別技術をベースとしたバイオメトリクス関連の研究など、技術的な優位性を競争力の源泉としています。
市場環境としては、人手不足に伴う省人化や業務効率化のニーズが世界的に高まっており、同社はこれらの課題に対するソリューション提供を通じて差別化を図っています。特に海外市場では、各地域の規制や商習慣に適応した製品展開を進めることで、グローバルな競争優位性を確保する戦略をとっています。
バリュエーション
最新の市場データにおいて、同社の株価は3,872円となっており、時価総額は約2007億円です。PERは14.04倍、PBRは0.96倍と算出されています。
配当利回りは3.98%となっており、安定した還元姿勢が見て取れます。これらの指標は、同社の持つ技術的優位性と、成長に向けた戦略的な投資のバランスを反映しているものと考えられます。