事業モデル

同社はIoT事業、製造受託事業、開発受託事業の3つのセグメントを展開しています。特にIoT事業では、安全運転支援サービス「D-Drive」や熱中症予兆検知を含む「Work Mate」といった、ハードとソフトの両面で新技術を組み合わせたソリューションを提供しています。

製造受託事業では、歯科診療向けの回路基板などの生産を行い、開発受託事業ではソフトウェアの開発を受託しています。現在は、IoTテクノロジーにAIやデータ活用を融合させた新たなビジネスモデルへの転換を進めており、特定の社会課題解決に向けたサービス提供に注力する体制をとっています。

KPI

当連結会計年度における売上高は1,235百万円となり、前年同期比で21.6%の増加を記録しました。IoT事業の売上高は849百万円と拡大し、同セグメントの利益は黒字に転換しています。

一方で、製造受託事業の売上高は199百万円(前年同期比251.1%増)と大幅な伸びを見せましたが、開発受託事業は前年同期比で23.1%の減収となりました。全体としては、先行投資の影響により営業損失を計上しているものの、主要なIoT関連事業での成長が顕著に表れています。

成長ドライバー

「ユビテック4.0」という中期経営計画のもと、D-DriveやWork Mateといった自社サービスの成長を加速させています。特にD-Driveでは、パートナー企業との連携強化やアルコールチェック管理システムとの連携により、提供体制の拡充と顧客獲得の拡大を見込んでいます。

また、労働安全衛生規則の改正に伴う熱中症対策の義務化など、外部環境の変化を追い風とした需要の取り込みも期待されています。今後は蓄積されたデータの活用による「1次スクリーニング」指標の研究開発や、新3か年計画における2026年6月期での営業利益黒字化を目指しています。

リスク

技術面では、急速な環境変化に伴う代替技術の出現や、高度な専門知識を持つ人材の確保・流出が事業継続上のリスクとして挙げられています。また、製造を外部委託するファブレス生産体制をとっているため、委託先の供給能力や品質管理に左右される側面があります。

さらに、知的財産権の保護に関する限界や、システムへの高い依存度に伴うサイバーセキュリティのリスクも認識されています。これらのリスクに対し、同社はISO認証の取得や専門家との連携、教育体制の拡充など、多角的な対策を講じています。

競合

IoT事業においては、ハードウェアとソフトウェアの両面で独自技術を追求しており、差別化を図っています。しかし、提供する技術内容が大手電機メーカーによる内製化にシフトされる可能性もリスクとして認識されています。

同社は、特定のニッチな市場や未開拓の領域において独自の価値を提供することを目指しています。特に労働安全や交通規制といった法的な要請を背景とした分野において、他社との差別化を図りながら顧客基盤の拡大を図る戦略をとっています。

バリュエーション

2026年8月13日時点の市場データにおいて、同社の株価は221円となっています。この時点での時価総額は約32.5億円と算出されています。

また、同日のデータに基づくPBR(株価純資産倍率)は2.18倍を記録しています。投資判断にあたっては、これらの指標に加え、事業構造の転換に伴う成長フェーズにある現状を考慮する必要があります。