事業モデル
同社は水晶振動子および水晶発振器を中心とした水晶製品の製造・販売を展開しています。研究開発から製造、販売までを一貫して行う体制を構築しており、国内および海外の連結子会社を通じてグローバルな供給網を構築しています。
主力製品である水晶製品は、スマートフォンやパソコンなどのデジタル機器、IoT、データセンターといった次世代インフラにおいて不可欠な役割を担っています。特に高周波・低ジッタ特性を持つ高度な技術が求められる分野で、独自の「KoTカット」技術などを活用した製品展開を行っています。
KPI
当連結会計年度の売上高は5,784,902千円となり、前年同期比で1.5%の増収を記録しました。一方で、原材料費の高騰や人件費の上昇といったコスト要因が重なり、営業利益は70,766千円の損失となりました。
純資産は4,586,504千円となり、前年度と比較して増加傾向にあります。また、当期における研究開発費は274,258千円を投じており、次世代技術の量産体制構築や品質マネジメントシステムの取得に向けた投資を継続しています。
成長ドライバー
成長戦略として、スマートフォン向けへの売上偏重を緩和するため、医療・ヘルスケア、IoT無線通信、次世代デジタルインフラといった成長分野への注力を行っています。特にAIデータセンター向けの1.6T光トランシーバー用途に向けた「KCRO-05」の開発は、今後の重要な柱となります。
また、モビリティ市場においてはIATF16949の認証取得により、車載向け製品の量産体制と品質管理を強化しています。独自のKoTカット技術による高精度・低位相雑音な製品群を展開することで、他社との差別化と競争優位性の確立を目指しています。
リスク
主要なリスクとして、スマートフォン関連への売上集中による特定顧客への依存が挙げられており、市場動向や競合状況の変化が業績に直結する構造があります。このため、多角的な製品展開と新規市場の開拓を通じてポートフォリオの最適化を進めています。
また、地政学的リスクやサプライチェーンの脆弱性、原材料価格の高騰といった外部環境の変化も重要な懸念事項です。これらに対し、BCP(事業継続計画)の策定や、高度な技術による高付加価値製品へのシフトにより、収益力の強化と経営基盤の安定化を図っています。
競合
同社は水晶製品において独自の「KoTカット」技術を保有しており、これが高い評価を得てグローバルでの知財保護体制も確立されています。この技術的優位性を背景に、高度な要求仕様が求められるハイエンド市場での競争力を高めています。
\n競合環境においては、スマートフォン向けなどの汎用品における価格競争や、代替製品の台頭といったリスクが存在します。これに対抗するため、同社は特定のニッチな高性能領域において技術的な差別化を追求し、独自のポジションを確立する戦略をとっています。
バリュエーション
2026年8月13日時点の市場データにおいて、株価は823円となっています。この時点での時価総額は約66.9億円であり、PBRは1.46倍と算出されています。
同日のデータに基づく配当利回りは1.23%です。これらの指標に基づき、同社は独自の技術基盤を背景とした成長期待と、現在の事業構造における課題のバランスを市場から評価されている状況にあります。
