事業モデル
ブランド製品事業とテクノロジーソリューション事業の二本柱で構成されています。前者はペンタブレットや液晶ディスプレイ等のクリエイティブ向け機器を展開し、後者はデジタルペン技術などの部品・モジュールをOEM顧客へ提供する構造です。
「創る」「学ぶ」「はたらく」「ウェルビーイング」という4つのユースケースに焦点を当てた戦略を展開しています。単なるデバイス販売から、データやサービスを活用した継続的な価値提供を目指す「道具屋」としての変革を進めています。
KPI
ブランド製品事業においては、2025年6月および7月・10月に新製品を相次いで発表し、ポートフォリオの刷新を図っています。この戦略により、同事業は売上高が5期ぶりに前年同期を上回り、4期ぶりの黒字化を達成しました。
テクノロジーソリューション事業では、デジタルペン技術の標準化と教育市場での機会拡大に注力しています。一方で、OEM顧客の動向や為替・関税政策の影響を受け、当連結会計年度の売上高およびセグメント利益は前年同期を下回る結果となりました。
成長ドライバー
中期経営計画「Wacom Chapter 4」のもと、AIやデジタル技術を「人間がAIを使いこなすための最適インタフェース」として再定義しています。特に次世代の成長エンジンとして、独自のペン技術を高度に統合した新技術の開発に注力しています。
また、医療や教育などの分野でハードウェアとサービスを組み合わせたオールインワンモデルを展開し、継続収益型ビジネスへの転換を目指しています。さらに、知的財産保護やクリエイター支援といった新たな領域での事業化も推進しており、成長の加速を図っています。
リスク
主要なリスクとして、為替レートの急激な変動による業績への影響が挙げられています。また、特定の販売先であるサムスングループへの売上高割合が高く、同社の経営戦略や需要動向に左右される側面があることも課題とされています。
供給面では、中国を中心とした外部委託先への依存や、半導体・基板などの重要部品の調達難による影響が懸念されます。これに対し、生産拠点の分散化やセカンドソースの確保、先行手配の強化などにより、サプライチェーンの強靭化とコスト競争力の維持を図っています。
競合
クリエイティブ市場では、生成AIの普及やデバイス環境の変化に伴い、競合環境が激化しています。これに対応するため、製品ポートフォリオの見直しや、特定の教育サービスパートナーとの協業によるニーズへの適合を進めています。
テクノロジーソリューション事業においては、スマートフォンやノートPCメーカーを主要な顧客としています。市場における競争力を維持するため、独自のペン技術の標準化と、他社参入が進む中での価値提案の高度化に取り組んでいます。
バリュエーション
2026年8月13日時点の市場データにおいて、株価は814円となっています。同日のデータに基づく時価総額は約1043.5億円であり、PERは11.07倍、PBRは2.83倍と算出されています。
また、同日時点での配当利回りは3.05%を記録しています。これらの指標に基づき、市場における評価と投資家への訴求が行われています。
