事業モデル
同社は真空技術を核とした「真空機器事業」と、材料や表面分析装置を提供する「真空応用事業」の二本柱で構成される。真空機器事業では、半導体・電子部品製造用装置やディスプレイ・エネルギー関連装置を展開し、幅広い産業分野に製品を提供している。
特にスパッタリング装置やCVD装置といった成膜技術は、スマートフォンや自動車などのエレクトロニクス製品の基盤を支える。また、真空ポンプや各種コンポーネント、ターゲット材料など、周辺技術を含めた広範なラインナップにより強固な事業基盤を構築している。
KPI
当連結会計年度における売上高は2,511億84百万円となり、前年同期比3.8%減の推移となった。一方で、営業利益は265億23百万円と、売上高の減少や研究開発費の増加を反映しつつも、売上総利益率が31.8%に達するなど収益性は向上している。
受注高は2,255億67百万円となり、前年同期比で12.6%の減となるものの、高い水準の受注残高が売上を支える構造となっている。また、当期純利益は166億87百万円を計上し、自己資本比率は59.6%と安定した財務基盤を維持している。
成長ドライバー
新中長期経営計画「バリューアッププラン」に基づき、事業ポートフォリオを半導体電子分野へ集中させる方針を掲げている。特に先端ロジックやメモリ分野の投資拡大、および地政学的リスクに対応した世界各地での工場建設が追い風となる見込みである。
また、真空技術と周辺技術のシナジーを活用した新ビジネスの創出や、研究開発への重点的な投資を通じて製品の差別化を図る。さらに、海外拠点を活用した顧客密着型の開発体制を強化し、グローバルな市場での競争優位性を高める戦略を推進している。
リスク
半導体やFPDといった主要市場における景気動向や地政学的リスクにより、顧客の設備投資が急激に変動する可能性がある。特に技術革新のスピードが速い分野では、競合他社との価格・性能の両面での競争が常に激化している。
また、高度な製品開発を支える人財の確保や、グローバル展開に伴う輸出入規制、環境法などの法令遵守も重要な課題である。さらに、サプライチェーンにおける部品調達の遅延やコスト高騰、および最先端技術ゆえの品質管理リスクへの対応が求められる。
競合
同社は真空技術を基盤とした独自の強みを有しており、特に半導体・電子部品分野において高い技術力を誇る。競合他社との競争においては、単なる製品性能だけでなく、価格面や納期、アフターサービスの充実といった総合的な対応力が重要となる。
これに対し同社は、製造装置の標準化によるコスト競争力の向上や、独自の成膜技術を基盤とした差別化戦略を展開している。また、事業間シナジーを活用した多角的な製品展開により、特定の市場変動に対する耐性を高めることで優位性を確保する方針である。
バリュエーション
最新の市場データにおいて、同社の株価は10,250円(2026-06-29時点)となっており、時価総額は約5023.1億円に達している。PERは40.32倍、PBRは2.19倍と算出されており、市場からは将来の成長性に対する期待が反映されている。
配当利回りは1.49%となっており、同社は「業績連動型配当」を方針として掲げている。今後も持続的な成長を通じた長期的な増配や、さらなる株主還元の拡充を目指す姿勢を示しており、投資家に対して安定した還元と成長の両立を図る構えである。