事業モデル
同社は、車載機器、デジタルカメラ、産業機器などに搭載されるディスプレイおよび関連製品の開発、設計、製造、販売を行っています。独自の高い技術力を経営基盤とし、近年では「BEYOND DISPLAY」戦略のもと、既存のディスプレイ事業の収益構造改革を進めています。
具体的には、国内生産拠点の集約やファウンドリーパートナーとの協業によるアセットライトな生産体制への移行を推進しています。また、ディスプレイで培った技術を活用し、センサー事業や先端半導体パッケージング事業といった新たな領域への展開も進めています。
KPI
当連結会計年度の売上高は、戦略的な縮小を進めたスマートフォン向け製品の減少や拠点の生産終了に伴う影響により、前年同期比29.6%減の132,328百万円となりました。一方で、人員削減や拠点経費の減少といった構造改革の効果により、EBITDAはマイナス14,820百万円と、前年度のマイナス33,048百万円から改善が見られます。
営業損失についても、当期は18,692百万円となり、前年度の37,068百万円から縮小しています。また、親会社株主に帰属する当期純損失も、事業構造改善費用等の計上があるものの、前年度の78,220百万円から19,810百万円へと大幅に減少しました。
成長ドライバー
成長戦略「BEYOND DISPLAY」のもと、ディスプレイ技術を応用した新領域への展開が成長の柱となります。センサー事業では、高解像度面センシング技術を核として、医療用X線センサーや指紋センサーなどの分野で独自の強みを構築しています。
また、先端半導体パッケージング事業は、同社が持つ高密度配線技術や薄膜・ガラス加工技術を活用する中長期的な成長領域と位置付けられています。これらの新事業への展開により、従来のディスプレイ事業に依存しない新たな収益基盤の構築を目指しています。
リスク
主要なリスクとして、市場動向や競争環境の変動による売上減少や、競合他社との競争激化に伴う販売価格の下落が挙げられます。これに対し、製品ポートフォリオの変革や生産体制の見直しを通じて、収益性の高い事業運営への転換を進めています。
財務面では、資金調達の安定性や為替相場の変動が業績に与える影響を注視しています。特に外部資金への依存度を抑制しつつ、構造改革による固定費削減と資産売却を通じた財務基盤の強化に取り組むことで、経営環境の変化に対する耐性を高める方針です。
競合
同社は、高度な技術を必要とするディスプレイ分野において独自の技術力を強みとしています。競合他社との差別化を図るため、センサーや先端半導体パッケージングといった新領域では、外部企業との協業や戦略的提携を通じて競争優位性の確保を目指しています。
事業構造の変革においては、特定の地域に依存しない安定的な供給体制を構築することで、地政学的リスクへの対応と受注獲得の両立を図っています。技術の高度化と生産プロセスの効率化を継続的に進めることで、市場における競争力の維持・強化を図る方針です。
バリュエーション
2026年8月13日時点の株価は50円となっており、同日の時価総額は約2132.8億円です。この時点でのPBRは-41.74倍と算出されています。
投資判断にあたっては、構造改革による固定費削減の効果が今後段階的に業績数値へ反映される見通しを考慮する必要があります。また、新事業の量産に向けた開発進捗や財務基盤の改善状況が、中長期的な企業価値の向上に寄与するかが重要な視点となります。
