事業モデル

同社は「スピーカ事業」「モバイルオーディオ事業」「その他事業」の3つのセグメントを展開しています。スピーカ事業では車載用やテレビ用などの音響機器を、モバイルオーディオ事業ではヘッドホンや振動アクチュエータ等の製造・販売を行っています。

その他事業では、接近通報音用スピーカや「フォステクス」ブランド製品の展開を通じて多角的な事業基盤を構築しています。各事業において独自の技術力を活用し、グローバルな供給体制のもとで顧客ニーズに応える体制を整えています。

KPI

当連結会計年度における売上高は134,910百万円となり、前年同期比で2.0%の減収となりました。一方で営業利益は7,670百万円(前期比12.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,951百万円(前期比26.9%増)と、大幅な増益を達成しています。

セグメント別では、スピーカ事業が売上高の大部分を占める中、より利益率の高い製品へのシフトが進んでいます。モバイルオーディオ事業やその他事業においても、構造改革の効果により営業利益の改善が見られるなど、収益体質の向上が進展しています。

成長ドライバー

中期経営計画において「モビリティ関連ビジネス」と「コンシューマ関連ビジネス」の2軸を成長戦略として掲げています。特に車載分野では、次世代モビリティに向けた高付加価値な音響空間やHMI、警告音などの提供により、1台あたりの搭載数増加と収益性向上を目指しています。

コンシューマ分野では、「Beyond2025」プロジェクトを通じてライフスタイルやライフソリューションの領域へ拡大を図ります。また、研究開発活動において、AVASやeCall向けの高音質デバイス、振動アクチュエータなどの新技術開発に注力し、市場での優位性を確保する方針です。

リスク

グローバルな展開を前提とするため、地政学リスクによる供給網の混乱や、為替・物価高騰に伴うコスト増が経営への影響要因となります。特に自動車関連市場では、各国の関税政策や経済動向の変化に対し、機動的なロジスティクス管理や価格転嫁交渉で対応する方針です。

また、原材料の調達価格高騰や、競合他社との激しい価格競争、技術革新のスピードへの対応も重要な課題とされています。これらに対し、製品の高付加価値化、基幹部品の内製化によるコスト削減、および高度な品質管理体制の構築を通じてリスク低減を図っています。

競合

同社は音響ソリューションのスペシャリストとして、独自の技術力とグローバルな供給網を強みとしています。競合他社との価格競争や製品のコモディティ化に対し、高付加価値製品の開発やマーケティングを通じて差別化を図る戦略をとっています。

特に車載分野においては、高度な品質管理体制への転換を進めることで、顧客からの高い要求に応える姿勢を鮮明にしています。技術革新が速い市場において、知財活動の推進や基幹部品の内製化により、競争優位性の維持と向上を目指す構造となっています。

バリュエーション

2026年8月13日時点の株価は2,970円となっており、同日の時価総額は約662.8億円です。この時点でのPERは13.35倍、PBRは0.98倍と算出されています。

また、同日のデータに基づく配当利回りは4.07%となっています。これらの指標は、同社が掲げる「PBR1倍以上」の達成に向けた資本政策や成長戦略の進捗を評価する上での基礎となります。