事業モデル
同社は、電子機器に不可欠なコイル関連の部品およびモジュール製品の研究・開発、設計、製造、販売を行う企業です。巻線や表面処理、成型といった8つの「集合技術」を磨き上げることで、顧客の多様な要求に対しワンストップで対応する体制を構築しています。
事業は地域別に「アジア・パシフィック事業」と「EU事業」に区分され、各域内で設計・製造・販売を完結する地産地消の体制を整えています。この構造により、グローバルな顧客基盤に対し、地政学リスクの分散や物流コストの抑制を図りながら安定的な供給を実現しています。
KPI
当連結会計年度における売上収益は、前連結会計年度比2.2%増の147,194百万円を記録しました。営業利益は同64.8%増の7,439百万円となり、構造改革によるコスト削減や製造間接費の適正化が寄与しています。
研究開発活動については、アジア・パシフィック事業で4,168百万円、EU事業で1,463百万円の計5,632百万円を投じています。特に車載向けモーターやインダストリー分野での高出力コイルなど、次世代技術への投資を継続しています。
成長ドライバー
成長の柱として位置づけるグリーンエネルギー関連では、2025年10月にドイツのSchmidbauer社を買収し、事業領域の拡大を図っています。この買収により、同社が強みを持つグローバルな製造体制とSchmidbauer社の高度な技術を融合させ、新たな市場への展開を加速させています。
また、xEV(電気自動車)の普及に伴い、より高い耐電圧や小型化、高品質なコイルの需要が高まっており、同社はこれら高度な要求に応えるための技術開発を進めています。車載関連の売上構成比は約6割を占めており、電動化・電装化の流れが追い風となる構造です。
リスク
主要原材料である銅や鉄などの価格変動、およびエネルギー価格の高騰によるコストプッシュ型インフレの影響を受けるリスクがあります。これに対し、顧客との契約への価格連動の仕組みの導入や、地産地消による物流費の抑制などで対応を図っています。
また、車載関連の売上比率が高いため、特定の大口顧客や各国の政策・補助金の動向が業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、米中経済摩擦などの地政学リスクに対しては、複数の生産拠点を活用した供給網の分散と、地域内での完結する体制構築によってリスク低減を図っています。
競合
同社は、電子機器において不可欠なコイル分野で「巻線」「表面処理」「成型」といった高度な技術を統合した強みを持っています。特に車載市場ではxEV化の進展により競争環境が厳しくなっており、他社の参入による価格競争も激化しています。
これに対し同社は、製品品質の向上とグローバル体制の強化によって競合他社との差別化を図る戦略をとっています。また、顧客の初期開発段階から参画するビジネスモデルを構築することで、単なる部品供給を超えた強固な関係性を築き、競争優位性を確保しています。
バリュエーション
2026年8月13日時点の市場データにおいて、同社の株価は1,261円となっており、時価総額は約397.8億円です。この時点でのPERは18.15倍、PBRは0.63倍と算出されています。
また、同日のデータに基づく配当利回りは4.41%となっています。同社は経営方針において、現在のROEやPERの状況を認識し、さらなる企業価値の向上に向けた取り組みを進める姿勢を示しています。
