事業モデル

同社は陸上・海上・アマチュア用の無線通信機器およびネットワーク機器の製造・販売を行う専門メーカーです。RF(高周波)技術を中核に、アナログからデジタル、さらにはIPネットワークへと技術を横断的に展開する強みを持っています。

製品開発においては、国内生産(Made in Japan)を堅持し、設計から出荷まで一貫した品質管理体制を構築しています。これにより、高品質で信頼性の高い製品供給を実現し、ブランド価値の向上を図る戦略をとっています。

KPI

当連結会計年度における売上高は369億5千9百万円となり、前年同期比1.4%の微減となりました。一方で、営業利益は29億1千3百万円と、前年同期比で21.7%の減少を記録しています。

事業別では、陸上業務用無線通信機器が165億4千2百万円、アマチュア用が55億2千9百万円、海上用が39億9千3百万円の売上を計上しました。また、付属品等の関連製品も108億9千万円と堅調に推移しています。

成長ドライバー

成長戦略として、IP無線を活用したストックビジネスの展開や、多機能AI搭載インカムアプリ「ICOM CONNECT」のリリースによる収益基盤の強化を進めています。これにより、単体販売からシステム提供への移行を図っています。

中期経営計画2030では、公共インフラへの参入や防衛通信市場への参入を柱に掲げています。また、M&Aの推進や事業提携の加速を通じて、さらなる成長と競争力の強化を目指す方針です。

リスク

地政学リスクや原材料価格の高騰、為替相場の変動が経営成績に影響を与える可能性があるため、調達先の複数化などの対策を講じています。特に海外売上高の比率が高いため、為替動向への注視が必要です。

また、生産拠点が特定の地域に集中していることによる自然災害リスクや、製品の欠陥に伴うリコール等の品質管理リスクも認識されています。さらに、第三者との知的財産権に関する紛争が経営に影響を及ぼす可能性についても留意しています。

競合

同社は無線通信機器の専業メーカーとしての立ち位置を明確にしており、他領域の製品を取り扱わないことで専門性を高めています。長年の技術蓄積により、アマチュア用から業務用まで幅広い層のニーズに対応する体制を構築しています。

競合環境においては、高度な信頼性が求められる公共インフラや防衛分野への参入を見据え、独自の技術優位性を活用した差別化を図っています。国内ではシステム案件の獲得に向けた営業力の強化にも取り組んでいます。

バリュエーション

2026年8月13日時点の市場データにおいて、同社の株価は3,500円となっています。この時点での時価総額は約479.4億円と算出されています。

また、同日のデータに基づくPERは17.99倍、PBRは0.66倍となっており、配当利回りは2.60%を記録しています。これらの指標に基づき、現在の市場における評価を判断することが可能です。