事業モデル

同社は電池事業と電子事業の二本柱で構成される事業構造を有しています。電池事業ではアルカリ乾電池、リチウム電池、ニッケル水素電池などを製造・販売し、電子事業ではスイッチング電源やトナーなどのモジュールを展開しています。

特に電池事業においては、国内のセキュリティやスマートメータ向けのリチウム電池が伸長する一方で、海外家電向けのニッケル水素電池が減少するなど、製品ごとに異なる動向が見られます。また、ブランドライセンス契約の締結など、販売促進に向けた戦略的な取り組みも実施しています。

KPI

当連結会計年度の売上高は595億61百万円となり、前連結会計年度と比較して36億10百万円の減少となりました。しかし、電池事業においては原材料価格の変動や円安効果、技術によるコスト削減が奏功し、セグメント利益は17億7百万円と増加しています。

一方で電子事業は、モビリティ向け製品の動向や生産終了の影響を受け、売上高および利益ともに減少となりました。全社的な営業利益は前連結会計年度比で2億72百万円増加し、16億67百万円を計上しています。

成長ドライバー

同社は「Smart Energy Partner」としてのビジョンを掲げ、次世代電池の技術開発に注力しています。具体的には、ニッケル亜鉛電池の量産に向けた開発や、高エネルギー密度を持つ小型全固体電池の開発など、将来を見据えたポートフォリオの多様化を進めています。

また、2026年4月より開始される中期事業計画「R3」では、現行ビジネスの多角的拡大と新規ビジネスの創出を両輪として推進する方針です。これらの取り組みを通じて、2029年度に向けた売上高目標や営業利益率の向上を目指しています。

リスク

同社は、原材料価格の高騰や供給不足、さらには地政学的リスクによる物流・コストへの影響といった外部環境の変化に常に晒されています。特に為替レートの変動は、海外事業における製品の価格競争力や円換算後の財務諸表に直接的な影響を及ぼす要因となります。

また、エレクトロニクス分野における技術革新の速さによる製品の陳腐化や、激しい価格競争も重要なリスクとして認識されています。さらに、特定の地域における知的財産権の保護が限定的であることや、サプライヤーへの依存といった構造的な課題にも対応を迫られています。

競合

電池およびエレクトロニクス分野は、既存の競合他社に加え、新規参入者との競争が非常に激しい市場環境にあります。同社はこれらの競争に対応するため、高品質で高付加価値な製品の開発と徹底的なコストダウンの両立を追求しています。

特に電池分野では、技術の進歩が速く、独自の技術やノウハウによる差別化が重要となります。同社は研究開発への継続的な投資を通じて、競合他社に対する優位性を確保し、市場におけるポジションを維持する戦略をとっています。

バリュエーション

2026年8月14日時点の株価は419円となっており、同日の時価総額は約141.5億円です。この時点でのPERは18.97倍、PBRは0.73倍と算出されています。

これらの指標は、同社が保有する技術力や将来の成長期待を反映した水準となっています。投資判断にあたっては、次世代電池への投資効果や事業ポートフォリオの変革による収益性の向上が鍵となります。