事業モデル

同社は人工水晶などの部材から、一般・音叉型水晶振動子および関連製品まで幅広く展開する水晶デバイスの総合メーカーです。製造工程においては、国内拠点のほか、海外の子会社や委託先を活用したグローバルな生産体制を構築しています。

販売活動も多角的に展開しており、海外売上高の割合は2026年3月期において87.1%に達しています。特にAIデータセンター向けや光トランシーバ向けなど、高度な技術を要する分野で独自の強みを持つ製品を展開しています。

KPI

当連結会計年度の売上高は前年同期比2.4%増の39,551百万円となり、営業利益は同23.9%増の1,133百万円を計上しました。経常利益も78.1%増と大幅な伸長を見せており、収益性の改善が進んでいます。

セグメント別では、日本国内で前年比6.6%増の売上高に対し、前年の赤字から黒字転換を果たしています。一方で中国やアジアなどの一部地域では、市場環境の影響を受けつつも、特定の成長分野での需要獲得に努めています。

成長ドライバー

最重要経営戦略として推進する「Arkh構想」により、独自の水晶技術を活かした高付加価値製品の展開を加速させています。特にArkhシリーズは、高度な加工技術により従来の製造手法に対する生産効率の限界を打破し、コスト競争力の向上を目指しています。

また、AIデータセンターや光トランシーバ、ウェアラブル機器といった成長分野への対応を強化しています。これらの市場では高周波化や小型・軽量化の要求が強く、同社の技術力と量産体制の構築が将来の成長を牽引する要因となります。

リスク

水晶業界特有の構造的な課題として、製品の高度化に伴う製造コストの増加や生産効率の限界といった問題が存在します。これらに対し、独自の「Arkh構想」による技術革新と生産体制の変革を通じて対応を図っています。

外部要因としては、原材料・部品の特定取引先への依存や、為替変動による連結決算への影響が挙げられます。また、先端分野における競争激化や、研究開発における知的所有権に関するリスクにも、適切な管理体制を構築することで対応しています。

競合

同社は水晶デバイスの総合メーカーとして、高度な結晶育成および加工技術を強みとしています。特に独自の「Arkhシリーズ」を展開することで、競合他社に対する差別化とコスト構造の改善を図っています。

市場環境としては、通信や民生分野での競争が激化する一方で、車載や産業分野では堅調な推移を見せています。同社はこれらの変化に対応するため、技術力の向上と生産体制の高度化を追求し、独自の立ち位置を確立しようとしています。

バリュエーション

最新の市場データにおいて、株価は916円、時価総額は約293.6億円となっています。PERは69.92倍となっており、将来の成長期待が織り込まれている状況です。

一方でPBRは0.75倍と低水準にあり、資産価値に対する評価には独自の技術力や市場シェアが影響していると考えられます。配当利回りは3.03%となっており、安定した還元姿勢も示されています。