事業モデル

同社は人工水晶などの部材から、一般・音叉型水晶振動子および関連製品まで幅広く展開する水晶デバイスの総合メーカーです。製造工程においては複数の国内外拠点や子会社を活用し、グローバルな供給体制を構築しています。

特に独自の研磨・組立技術を結集した「Arkhシリーズ」を中核に据え、高周波化や小型化が進む市場ニーズに対応しています。同製品は高度な製造プロセスを採用することで、部材調達の簡略化や生産効率の向上を実現し、競争優位性を確立する戦略をとっています。

KPI

当連結会計年度の売上高は39,551百万円となり、前年同期比で2.4%の増加を記録しました。営業利益は1,133百万円(同23.9%増)、経常利益は734百万円(同78.1%増)と、大幅な増益を達成しています。

セグメント別では、日本事業が前年比6.6%増の売上高7,427百万円を計上し、大幅な黒字転換を果たしました。一方で中国やアジアなどの一部地域では、市場環境の影響を受けつつも、特定の成長分野での需要獲得に努めています。

成長ドライバー

AIデータセンターの拡大や光トランシーバの普及に伴い、高周波デバイスである差動出力発振器の需要が追い風となっています。また、スマートグラス等のウェアラブル機器の普及により、より薄型・軽量な水晶デバイスへのニーズも加速しています。

これらを見据え、同社は「Arkhシリーズ」を軸とした「Arkh構想」を最重要経営戦略として推進しています。独自の技術力を背景に、次世代通信インフラや高度な電子機器の普及に伴う高付加価値製品へのシフトを進めています。

リスク

水晶業界特有の構造的な課題として、製品の小型化・高性能化に伴う製造コストの増加や生産効率の限界といった要因があります。これに対し、同社は独自の技術による量産体制の構築とコスト構造の変革を推進することで対応しています。

また、海外売上高が87.1%を占めることから為替変動の影響を受けやすい構造にあります。さらに、特定の原材料や部品において一部の取引先に依存するリスクがあるため、複数社の認定や共通部品化による供給体制の安定化を進めています。

競合

同社は水晶デバイスの総合メーカーとして、高度な研磨技術や組立技術を強みとしています。特に独自の「Arkhシリーズ」を展開することで、競合他社に対する差別化を図り、市場での優位性を確保する戦略をとっています。

競争環境においては、通信分野や民生分野における価格競争の激化が課題となります。これに対し、同社は技術革新による高付加価値化と、生産体制の変革を組み合わせることで、構造的な課題への対応と市場シェアの維持・拡大を目指しています。

バリュエーション

2026年8月14日時点の株価は813円であり、同日の時価総額は約245.5億円となっています。この時点でのPERは58.48倍、PBRは0.63倍と算出されています。

また、同日のデータに基づく配当利回りは3.63%となっています。これらの指標は、同社が推進する技術革新や成長戦略に対する市場の評価を反映しています。