事業モデル

同社は電子部品の総合メーカーとして、LSI、半導体素子、モジュール、その他の4つの主要セグメントを展開しています。具体的には、ロジックやメモリを含むLSI、パワーデバイスやLEDなどの半導体素子、プリントヘッド等のモジュールといった多岐にわたる製品群を製造・販売しています。

これらの事業は、自動車関連分野、産業民生機器関連分野、海外市場の3つを注力領域として展開されています。特に「パワー」と「アナログ」の技術を強みとし、高度な技術力を背景としたソリューション提供を行っています。

KPI

当連結会計年度の売上高は、自動車や民生機器、産業機器の各市場での伸長により、前年比7.3%増の4,811億4千8百万円を記録しました。営業利益についても、構造改革による固定費削減の効果が寄与し、108億6千4百万円(前連結会計年度は400億6千1百万円の損失)へと大幅な改善を見せています。

一方で、SiC事業に関連する固定資産において多額の減損損失を計上した影響により、親会社株主に帰属する当期純利益は1,584億2千4百万円の赤字となりました。しかし、LSIや半導体素子といった主要セグメントでは、前年比で売上が増加し、それぞれにおいて大幅な改善が見られています。

成長ドライバー

成長戦略の柱として、SiCをはじめとするパワーデバイスや、それを駆動する絶縁ゲートドライバICなどの普及拡大を推進しています。これらは環境保全への貢献と高効率化という相反するニーズに応えるための重要な技術領域と位置付けられています。

また、AI機能搭載マイコンの開発など、高度な付加価値を伴う製品開発にも注力しています。特に「Solist-AI」といった独自のソリューションにより、産業機器や家電における故障予兆検知などの高付加価値な機能を提供し、技術優位性を確立する方針です。

リスク

主要なリスクとして、自動車市場の動向や政策・規制の変化に伴う需要変動が挙げられます。特に電気自動車(EV)の成長鈍化は、同社が注力するパワーデバイスの事業環境に直接的な影響を及ぼす可能性があると認識されています。

また、グローバルな競争激化による価格競争や、M&Aにおけるデューデリジェンス不足に伴う投資判断の誤りもリスクとして特定されています。これらに対し、同社は組織再編による顧客対応力の強化や、専門知見を持つ外部有識者の登用、厳格なPMI(ポストマージャー・インテグレーション)体制の構築等で対応しています。

競合

同社は電子部品の総合メーカーとして、自動車や産業機器といった広範な市場において強固な技術基盤を有しています。特にパワーデバイスやアナログICなどの分野では、高度な信頼性が求められる市場において独自の立ち位置を築いています。

競争環境に対しては、組織体制を機能別から市場別へと再編することで、各市場の特性に合わせた迅速な戦略立案とソリューション提案力の向上を図っています。また、他社との事業・経営統合に向けた協議を進めることで、世界市場で競争し得る規模の確保を目指しています。

バリュエーション

2026年8月14日時点の株価は5,016円となっており、同日の時価総額は約17645.7億円です。この時点におけるPBRは2.33倍と算出されています。

また、同日のデータに基づく配当利回りは1.09%となっています。これらの数値は、同社が推進する構造改革や次世代技術への投資の進捗を評価する上での基礎的な指標となります。