事業モデル
同社は粉末冶金技術を核とした「機械部品事業」と「電機部品事業」の二本柱で構成される事業構造を有しています。機械部品では、NTダイカッターや磁気ヘッド基板など、衛生用品から半導体まで幅広い分野へ製品を提供しています。
電機部品においては、医療用タングステンワイヤーや半導体製造装置向け給電端子、自動車向けの電気接点などを展開しています。これらの事業は、高度な加工技術を要するニッチな市場において強固な基盤を築いています。
KPI
当連結会計年度の売上高は前年度比3.1%増の127億7千6百万円を記録しました。営業利益は原材料価格の高騰によるコスト増を一部相殺し、前年度比3.5%増の7億1千3百万円となりました。
電機部品事業では、半導体製造装置向け部品の需要拡大や医療関連部材の好調により、売上高が12.7%増、営業利益が65.5%増と大幅な伸長を見せました。一方で機械部品事業は、一部市場での需要一服の影響を受け、減収減益の推移となりました。
成長ドライバー
成長戦略として「ビジョン2028」を掲げ、希少資源の価値最大化とDX推進による競争力強化を推進しています。特に半導体・電子部品分野では、データセンター向けHDDや製造装置用部材など、先端技術に関連する需要を取り込んでいます。
また、マテリアルズ・インフォマティクス(MI)の導入により新素材開発の加速を図るほか、2028年度に向けた中期経営計画において、若手育成や高度な専門性を有する人財の確保にも注力しています。これらの取り組みを通じて、持続可能な成長基盤の構築を目指しています。
リスク
原材料となるタングステンやコバルト等のレアメタルは、中国や欧州からの輸入に依存しており、地政学的リスクによる価格変動や供給制約が経営への影響要因となります。これに対し、同社は複数取引先からの調達やグローバル調達体制の強化で対応しています。
また、海外事業における各国の政治・経済動向や、サイバー攻撃による情報漏洩のリスクも特定されています。これらのリスクに対しては、リスクマネジメント委員会によるモニタリングや、強固なセキュリティ対策の継続的な実施により、経営への影響を最小限に抑える体制を構築しています。
競合
同社は、高度な粉末冶金技術と加工技術を融合させた「マテリアル力」を競争優位性の源泉としています。特に医療用部品や半導体関連の精密部品など、高い参入障壁が存在する市場において独自の地位を確立しています。
競合環境においては、原材料価格の高騰や供給リスクといった外部要因への対応力が重要となります。同社は、アライアンス戦略を通じてサプライチェーンの安定化を図り、他社に対する優位性を維持するための体制構築を進めています。
バリュエーション
2026年8月14日時点の市場データにおいて、株価は3,270円となっており、時価総額は約151.5億円です。同日のデータに基づくPERは56.18倍、PBRは1.14倍を記録しています。
また、同日時点での配当利回りは1.92%となっています。これらの指標は、同社が持つ高度な技術力や将来の成長期待を反映した水準で推移していると分析されます。
