事業モデル

同社は油圧緩衝器や油圧機器などの製造・販売を主軸とし、自動車(AC)、建設機械(HC)、航空機用部品の3つの主要セグメントを展開しています。各事業において国内および海外の広範なネットワークを活用し、OEM供給からアフターマーケットまで多岐にわたる製品を提供しています。

特にAC事業では四輪・二輪両方の市場に対応しており、HC事業では建設機械メーカー向けに産業用油圧機器を供給する体制を構築しています。また、航空機用離着陸装置や制御装置などの高度な技術を要する分野でも事業を展開し、多角的なポートフォリオを形成しています。

KPI

当連結会計年度の売上高は4,815億円に達し、前連結会計年度と比較して432億円の増収を記録しました。営業利益は知多鋼業の完全子会社化に伴う負ののれん発生益等の影響もあり、349億円と大幅な増加を見せています。

セグメント別では、AC事業が売上高3,441億円(前年比11.8%増)、HC事業が1,239億円(同6.6%増)と堅調に推移しました。航空機器事業も売上高が67億円と大幅な伸びを示しており、全体として強固な収益基盤を構築しています。

成長ドライバー

「KYB GROUP VISION 2035」の策定により、今後10年を「成長の10年」と位置づけ、事業ポートフォリオの最適化と新規事業の創出に注力する方針です。特に電動化・自動化・知能化が進む市場環境に対応するため、既存製品の高度化に加え、電子制御技術との融合による価値向上を推進しています。

研究開発体制においても、2026年4月付の組織変更により「先進技術研究所」を再編し、事業領域との連携を強化する動きを見せています。これにより、市場の変化に迅速に対応しながら、次世代の成長に向けた製品・サービスの開発スピードと価値創出力を高めることを目指しています。

リスク

経営上の主要なリスクとして、品質記録の改ざんによる法令違反や顧客からの信頼失墜、および大規模災害やサイバー攻撃による操業停止が挙げられています。これらに対し、同社は全拠点での監査強化やBCP訓練、セキュリティ対策の徹底など、多層的な防御体制を構築しています。

また、人権問題や労働災害といった人的リスクについても、教育の実施や再発防止策の水平展開を通じて管理を行っています。過去の不適切事象を受けた信頼回復に向けた取り組みを継続しており、ガバナンス体制の強化を通じて事業継続性を確保する方針です。

競合

同社は油圧緩衝器および油圧機器の分野において高い技術力を有し、自動車や建設機械といった広範な産業分野で強固な地位を築いています。特に高度な制御技術と信頼性が求められる航空機用部品や、耐久性が重視される建設機械向け製品において独自の立ち位置を確立しています。

競合環境においては、電動化や自動化といった技術革新の波が押し寄せており、同社はこれらへの対応を研究開発の重点項目に据えています。既存の油圧技術に電子制御技術を融合させることで、次世代モビリティやインフラ分野における競争優位性を維持・強化する戦略をとっています。

バリュエーション

2026年8月14日時点の株価は4,635円であり、同日の時価総額は約1864.7億円となっています。この水準におけるPERは7.34倍、PBRは0.81倍と算出されています。

また、同日のデータに基づく配当利回りは2.33%となっており、安定した還元姿勢が見て取れます。これらの指標は、同社が持つ強固な事業基盤と将来の成長への期待を反映する内容となっています。