事業モデル

同社は自動車部品製造事業を展開しており、特に小型車から大型トラック・バス向けの重要保安部品であるブレーキおよびエンジン用ウォーターポンプ、オイルポンプを主力としています。これらの製品は「日本」「アジア」「中国」の各地域において、それぞれの市場特性に合わせた戦略のもとで展開されています。

生産体制においては、国内の製造拠点に加え、タイやインドなどの海外拠点を活用したグローバルな供給網を構築しています。また、高度な鋳造技術を核とした「素形材事業」として位置づけ、金型内手製を含む一貫生産体制の強化を通じて、高付加価値製品への対応力とコスト競争力の向上を図っています。

KPI

当連結会計年度における売上高は54,756百万円となり、前年度比0.6%増を記録しました。このうち日本セグメントでは原材料・エネルギー価格の高騰に対する販売価格への転嫁が進み、売上高32,501百万円、セグメント利益534百万円と大幅な増益を達成しています。

アジアセグメントでも、エネルギー調達コストの改善や価格改定などの施策により、売上高19,784百万円、セグメント利益1,232百万円と伸長しました。中国セグメントは、自動化による原価改善や大型トラック需要の持ち直しにより、売上高が前年度比21.2%増の6,194百万円となりました。

成長ドライバー

成長の柱として、電動化・カーボンニュートラルへの対応に向けた商用車向け電動ポンプやサーマルマネジメント関連製品の開発を推進しています。また、既存のドラムブレーキに加え、次期ブレーキとしてディスクブレーキの展開も進めており、技術革新による製品ラインアップの拡充を図っています。

さらに、2025年11月にはインド企業との資本業務提携を実施し、ブレーキ製品のラインアップ拡充やアジア市場での競争力強化を目指しています。これらの取り組みは、中長期的な環境規制への対応と、新領域への挑戦を通じた持続的な成長に向けた重要な戦略となっています。

リスク

主要なリスクとして、自動車業界におけるCASE対応や電動化の加速に伴うコスト低減要請の強まりがあり、部品のコモディティ化による価格競争の激化が収益性に影響を及ぼす可能性があります。また、中国やタイといった主要市場における景気動向や地政学的リスク、原材料・エネルギー価格の高騰も懸念材料となります。

製品面では、国内においてディスクブレーキの普及が進んだ際のドラムブレーキとの競合や、商用車の一部EV化によるポンプ需要の減少が挙げられます。これらに対し、同社は電動ポンプの開発強化や、生産拠点の最適化、サプライチェーンの多様化といったリスク低減策を講じています。

競合

同社は国内普通トラック(積載量4トン以上)関連事業において高いマーケットシェアを有しており、強固な顧客基盤を有しています。特に独自に進化したドラムブレーキは、北米やアジアなど多くの地域で主力として採用されており、競合に対する優位性を築いています。

一方で、中国における規制強化に伴うディスクブレーキの導入拡大など、市場環境の変化による競争の激化が予測されています。これに対抗するため、同社は技術開発の高度化と、自動化・内製化を通じたコスト競争力の向上により、競合優位性の維持に努めています。

バリュエーション

2026年8月14日時点の株価は351円であり、同日の時価総額は約111.5億円となっています。この時点におけるPBRは0.36倍と算出されています。

また、同日の市場データに基づく配当利回りは2.28%となっており、安定した還元姿勢が見て取れます。これらの数値は、同社の強固な事業基盤と現在の市場評価を反映する指標となっています。