事業モデル

同社は路線バス向けの運賃収受機器および関連するシステム開発を主軸として展開しています。主な製品には、高度な自動計算機能を備えた即時計数式運賃箱や、多様なニーズに対応する汎用型運賃箱が含まれます。

これらの製品は、厳しい使用環境に耐えうる高い信頼性が求められるため、共通仕様の策定と個別仕様によるカスタマイズを組み合わせた開発体制を構築しています。また、決済手段の多様化に伴い、非接触型ICカードやクレジットカード等のキャッシュレス決済に対応した機器も提供しています。

KPI

当連結会計年度における売上高は7,672,954千円となり、前年同期比で25.6%の増収を記録しました。一方で、営業利益は155,680千円と、前年同期比で60.1%の減益となっています。

運賃収受機器事業では、大型案件やキャッシュレス決済需要の拡大により売上高が7,025,868千円(前年比26.6%増)に達しました。しかし、戦略的な低採算案件の取り込みが影響し、同部門の営業利益は51,177千円と大幅な減益となっています。

成長ドライバー

中期経営計画「ONG2030」において、製造工程の変革や新領域への投資を成長の柱として掲げています。具体的には、受注単位の生産から需要予測に基づく見込み生産(MRP方式)へ移行し、変動費の削減と在庫管理の適正化を目指しています。

また、既存の運賃収受機器に加え、デジタルバス停システムやダイヤ作成支援システムといった「データサービスソリューション」などの新領域を創出する方針です。これらの新規領域では、専任のマーケティング体制を構築し、強みのある基盤領域と連携して早期の事業化を目指しています。

リスク

製品の信頼性が極めて重要な分野であるため、予期せぬ事象による品質問題や改修費用の発生が業績に影響を及ぼす可能性があります。また、大型案件の開発においては、進捗管理の不備が納期遅延や追加コストの発生を招くリスクも抱えています。

外部環境としては、燃料価格の高騰や人件費の上昇といったバス業界特有の厳しい状況に加え、公営機関の入札による競争激化があります。さらに、新紙幣・新硬貨の流通や消費税率変更に伴う一時的な特需の発生により、業績が大きく変動する可能性も指摘されています。

競合

同社はバス用運賃箱市場において、長年の実績と高度なカスタマイズ対応力を武器に強固な地位を築いています。特に複雑な路線網や高い乗降客数に対応する即時計数式運賃箱の技術力は、競合他社に対する優位性の源泉となっています。

一方で、公営バス事業者からの受注は競争入札制度によって行われるため、価格競争の影響を受けやすい構造にあります。また、特定の販売先への売上集中や、参入障壁の低い領域での競争激化など、市場環境の変化に応じた戦略的な差別化が求められる状況にあります。

バリュエーション

2026年8月14日時点の株価は1,305円となっており、同日の時価総額は約41.2億円です。この時点でのPERは43.10倍と算出されています。

また、同日のPBRは1.03倍であり、配当利回りは3.08%となっています。これらの指標は、将来の成長期待や現在の事業基盤に対する市場の評価を反映しています。