事業モデル
同社は情報・印刷・産業システム機材、金融汎用・選挙システム機材、紙・紙加工品、不動産賃貸・リース事業の4つの主要な柱で構成される。単なる製品販売に留まらず、顧客の要望に合わせてソフトと先進機器を組み合わせた「システム」としての提供を強みとしている。
特に選挙システム機材では、自治体の業務効率化に向けた投開票管理システムや各種機器を提供し、安定した基盤を築いている。また、紙・紙加工品分野では、デジタル化による需要減を補うため、医薬品向けなどの高付加価値なオリジナル商品の取り扱いに注力している。
KPI
当連結会計年度の売上高は405億86百万円となり、前年同期比で8.5%の増収を記録した。営業利益も46億77百万円と、前年同期比39.4%の大幅な増益を達成している。
セグメント別では、選挙システム機材が売上高138億80百万円(前年同期比47.5%増)、営業利益43億15百万円(同102.6%増)と大きく伸長した。一方で、情報・印刷・産業システム機材の営業利益は、需要低迷や利益率低下の影響を受け、前年同期比98.5%減の12百万円に留まった。
成長ドライバー
成長の柱の一つとして、選挙システム機材における自治体の業務効率化ニーズへの対応がある。投開票管理システムの提供や、自治体情報システム標準化に向けたソフトウェアの対応が今後の重要課題となる。
また、印刷システム機材においては、デジタル化による市場環境の変化に対応するため、多目的インクジェットプリンターや自社開発ソフトウエアの拡販を推進している。さらに、工業用検査機材では、インフラ老朽化に伴う土木・橋梁分野等の需要を取り込むことで、機器のさらなる拡販を目指す方針である。
リスク
デジタル化の進展に伴い、印刷物や紙に対する需要が長期的に縮小するリスクを抱えている。これに対し、高付加価値なオリジナル商品の展開や、自社開発ソフトウエアによる差別化で対応を図る構えである。
また、原材料や部品の調達における地政学的リスクや、半導体不足による供給遅延のリスクも挙げられている。さらに、サイバー攻撃の高度化に伴う情報漏洩やシステム障害、および気候変動に伴う事業継続への影響など、多角的な経営環境の変化に対する備えが求められる。
競合
同社は「特長のある商社」として、独自のシステム構築力を武器に競合との差別化を図っている。特に選挙システム機材においては、自治体の業務効率化を支える包括的なソリューションを提供することで優位性を確保している。
印刷システム機材分野では、デジタル印刷の普及による厳しい市場環境にあるが、特殊機能を持つ機器の取り扱いや直販力の強化を通じて対応する方針である。紙・紙加工品においても、価格競争に陥らないための高付加価値なオリジナル商品の提供により、独自の立ち位置を確保している。
バリュエーション
最新の市場データにおいて、同社の株価は2,600円、時価総額は約179.6億円となっている。PERは6.41倍、PBRは0.49倍と、割安な水準で評価されている。
配当利回りは1.37%となっており、安定した事業基盤を持ちながらも、市場からは比較的低めのマルチプルで評価されている状況である。