事業モデル

同社は医療機器分野と産業機器分野の二つの事業を展開しており、特にメディカル事業がグループの主体となっています。メディカル事業では、血管内治療に使用される低侵襲治療製品であるガイドワイヤーやカテーテルを開発・製造し、国内外の医療機関へ提供しています。

独自の素材加工技術を基盤とした一貫生産体制を構築しており、研究開発拠点を国内外に配置することで技術の高度化を図っています。デバイス事業では、医療用および産業用の部材を国内外のメーカーへ販売しており、多角的な事業基盤を有しています。

KPI

2025年6月期の連結売上高は1,200億25百万円に達し、前年同期比で11.6%の成長を記録しました。メディカル事業の売上高は1,077億79百万円、デバイス事業は122億45百万円となっており、主力製品であるPCIガイドワイヤーが連結売上高の48.2%を占めています。

営業利益は300億79百万円(前年同期比35.9%増)と大幅な伸長を見せ、売上高の増加と生産性向上による利益率の改善が寄与しています。研究開発費として12,248百万円を投じており、技術革新に向けた積極的な投資を継続しています。

業績推移

売上高の推移(通期・直近4期)。FY2022 777.5億円、FY2023 901.0億円、FY2024 1,075.5億円、FY2025 1,200.3億円。422.8億円の増加

売上高の推移(通期・直近4期)。出典は kabu-insight(yfinance 由来)の通期実績で、古い期から新しい期の順に並べた。

FY2022の売上高は777.5億円。
FY2023の売上高は901.0億円。
FY2024の売上高は1075.5億円。
FY2025の売上高は1200.3億円。

成長ドライバー

新中期経営計画「Building the Future 2030」において、2030年6月期に向けた売上高1,800億円、営業利益率28%の達成を目標に掲げています。成長の柱として、循環器領域におけるグローバルニッチトップの地位維持と、非循環器領域でのシェア拡大を推進しています。

特に米国や欧州では、直接販売体制の強化や新製品の積極的な投入を通じて、市場の深耕を図る方針です。また、中国市場における脳血管系や腹部血管系製品の好調な推移など、地域ごとの戦略的な展開が成長の源泉となっています。

リスク

医療機器の特性上、各国の規制当局による厳格な規制(日本の薬機法、米国のFD&C法、欧州のMDR等)への適合が不可欠であり、規制強化や承認の遅延は業績に影響を及ぼす可能性があります。特に欧州におけるMDRへの対応や、中国における医療機器監督管理条例への対応が重要となります。

また、主力製品であるPCIガイドワイヤーへの高い売上依存度や、中国市場における高い売上比率がリスク要因として挙げられています。さらに、医療制度改革による販売価格の下落や、製品の不備に起因する製造物責任、訴訟リスクへの対応も重要な管理項目となっています。

競合

同社は、独自の素材加工技術(伸線、ワイヤーフォーミング、コーティング、トルク)を強みとして、競合他社との差別化を図っています。特に医療現場の知見を持つ医師との共同研究開発体制を構築することで、臨床ニーズに即した製品開発を実現しています。

これらの技術的優位性と、国内外の拠点を活用した高度な研究開発体制が、競合に対する参入障壁を形成しています。医療機器分野における高度な技術を要する製品を扱うため、品質管理体制の徹底が競争優位性を維持するための基盤となっています。

バリュエーション

2026年8月26日時点の市場データにおいて、同社の株価は3,924円となっています。この時点での時価総額は約10727.1億円であり、PERは33.56倍、PBRは6.19倍と算出されています。

同社の配当利回りは1.23%となっており、投資家に対して安定的な還元姿勢を示しています。これらの指標は、同社が成長期待を内包した医療機器分野の技術革新企業として評価されていることを示唆しています。