事業モデル

同社は企画、デザイン、製版、印刷、製本といった一連の工程を含む印刷事業と、イベントの企画・運営を行うイベント事業を展開しています。印刷事業においては、商業印刷や包装・パッケージ、コーポレート・コミュニケーションなど多岐にわたる領域をカバーしています。

さらに、デジタルコンテンツ制作やARアプリ開発、3DCGなどの情報コミュニケーション関連、およびデータ・プリント・サービス(DPS)といった付加価値の高い領域にも注力しています。これらの事業は、単なる印刷にとどまらない総合的なコミュニケーション支援を目指す構造となっています。

KPI

当連結会計年度の売上高は171億30百万円となり、前年同期比で4.2%の増加を記録しました。営業利益は3億24百万円と、前年同期比で140.4%の大幅な増益を見せています。

セグメント別では、印刷事業において収益性の高いIPS関連の大型特需が寄与し、営業利益は前年同期比109.5%増となりました。イベント事業においても、大型受注の影響により売上高が28.0%増加し、営業利益も502.7%増と大幅な伸長を遂げています。

成長ドライバー

同社は「印刷を、超えた『総合コミュニケーション企業』」という新ビジョンを掲げ、中長期経営計画「Change -SX2035-」を策定しています。この計画のもと、成長領域の安定成長と高収益体質への転換を目指す方針です。

特に、デジタルシフトやペーパーレス化が進む市場環境において、高度な技術力を活用した付加価値の高い製品の開発に注力しています。また、2025年の創業90周年を機に策定したコーポレート・パーパスのもと、サステナビリティ経営を基軸とした持続的な成長を目指す姿勢を鮮明にしています。

リスク

印刷事業においては、ペーパーレス化の進行による需要の変化や、原材料である印刷用紙の価格変動が業績に影響を与えるリスクがあります。また、人手不足に伴うコスト上昇や物流費の上昇も、収益性を圧迫する要因として認識されています。

さらに、自然災害による事業活動の中断や、サイバー攻撃等による情報セキュリティ上のリスクにも対応が必要です。これらの課題に対し、同社は耐震補強やBCPの策定、ISO27001の取得などを通じて、事業継続に向けた体制整備を進めています。

競合

印刷業界においては、デジタルシフトの進展やペーパーレス化の加速により、市場構造が劇的に変化する厳しい環境にあります。多くの企業と競合する中で、価格競争の激化による受注価格の低下が課題となっています。

同社はこの状況に対し、単なるコスト削減だけでなく、顧客への新しい付加価値の高い製品の提供や提案によって差別化を図る方針です。技術革新を継続し、高度な技術力を武器にすることで、競合他社との差異化と競争優位性の確保を目指しています。

バリュエーション

最新の市場データにおいて、同社の株価は386円となっており、時価総額は約59.5億円です。PERは12.87倍、PBRは0.42倍と算出されています。

配当利回りは2.61%となっており、安定した還元姿勢が見て取れます。これらの指標は、同社が持つ強固な事業基盤と、今後の成長に向けた投資のバランスを反映しているものと考えられます。