事業モデル

同社は情報コミュニケーション、生活・産業、エレクトロニクスという3つの主要な事業分野を展開しています。各分野において、デジタル技術を活用したマーケティングやセキュリティ、環境対応のパッケージ、高度な半導体基盤など多岐にわたる製品・サービスを提供しています。

特に情報コミュニケーション分野では、デジタルコンテンツ制作やBPO、セキュアメディアといった広範なソリューションを展開しており、2027年3月期からは「情報ソリューション」へと名称変更を予定しています。また、エレクトロニクス分野ではAI需要を背景とした半導体基盤の高度化を進めており、多角的な事業ポートフォリオを構築しています。

KPI

当連結会計年度において、売上高は前年比5.0%増の1兆8,050億円を記録しました。一方で営業利益は21.1%減の671億円となり、ROEは4.9%となりました。

経営陣は本業の収益力を示すNon-GAAP指標を導入しており、当期はNon-GAAP営業利益が3.5%減の941億円、Non-GAAP ROEは5.4%となっています。次期以降の目標として、2028年度にはROE 8%、2031年度にはROE 10%を目指すなど、資本効率の向上を重視した経営方針を掲げています。

成長ドライバー

成長の柱として「Digital & Sustainable Transformation」を掲げ、DXとSXの両面から事業変革を推進しています。特にエレクトロニクス分野では、AIやIoTの普及に伴う半導体市場の成長を追い風に、次世代半導体パッケージの量産に向けた設備投資や技術開発を加速させています。

生活・産業分野においては、欧州の規制対応を見据えた環境対応包材へのシフトや、海外での事業拡大による増収が見込まれています。また、戦略的なM&Aを通じて、グローバルな供給体制の強化や新興市場の開拓、さらには空間演出などの新規領域への進出を図り、成長機会を創出しています。

リスク

同社は3層構造(三線モデル)に基づく強固なリスクマネジメント体制を構築しており、2024年よりChief Risk Officerを任命するなどガバナンスの強化を進めています。各事業会社における現場でのリスクアセスメントと、コーポレート部門によるモニタリング・指導を組み合わせた仕組みを運用しています。

外部環境に起因するリスクとして、地政学リスクの顕在化や世界的な物価高、為替変動の影響が挙げられています。これらに対し、経営監査室による独立した立場からの内部監査を実施し、法令遵守やリスクコントロールの有効性を継続的に検証・評価することで、事業への影響を最小限に抑える体制を整えています。

競合

同社は独自の印刷技術を基盤とした高度な技術力を強みとしており、競合他社との差別化を図っています。特にエレクトロニクス分野では、先端半導体向けの高多層基板において複数の認定を取得し、次世代の評価プラットフォーム構築に向けた国際的なコンソーシアムへの参画も進めています。

情報コミュニケーション分野においては、単なる印刷からデジタル変革を支援するソリューションへと提供価値をシフトさせています。また、生活・産業分野では環境対応包材や空間演出といった高付加価値な領域へ注力することで、持続可能性と独自性を両立した市場での優位性の確立を目指しています。

バリュエーション

最新の市場データにおいて、同社の株価は5,254円(2026年7月1日時点)となっています。この価格に基づいた現在の市場評価を反映しています。

投資判断にあたっては、将来的な成長戦略である「True Value Transformation」への移行と、目標とするROEの向上に向けた資本効率の改善プロセスが重要となります。同社は今後、2031年度に向けて営業利益2,000億円、ROE 10%を目指す野心的な計画を掲げています。