事業モデル
同社は製版、印刷、製本に関連する付帯事業を中心に展開しており、大きく「情報コミュニケーション」「情報セキュリティ」「生活・産業資材」の3つの主要セグメントで構成されています。各部門は独自の強みを持つ製品群を抱え、子会社と連携しながら生産から物流までを一貫して手掛ける体制を構築しています。
特に情報系事業では、従来の印刷中心のモデルから、コンテンツやソリューションを中心とした非印刷へのシフトを進めています。一方、生活・産業資材部門では、食品や日用品向けの高機能な包装資材や、工業用資材などの提供を通じて安定した基盤を構築しています。
KPI
当連結会計年度の業績は、売上高が982億5百万円(前期比1.8%減)、営業利益が21億3千4百万円(前期比8.4%減)となりました。経常利益は27億2千7百万円(前期比0.7%減)と推移しており、投資有価証券の売却益を含むことで当期純利益は39億6千万円を計上しています。
セグメント別では、生活・産業資材部門が売上高331億7千万円(前期比2.6%増)、営業利益15億2千1百万円(前期比25.7%増)と堅調な伸びを示しました。これに対し、情報セキュリティ部門は売上高304億7千8百万円(前期比0.9%減)、営業利益11億2千8百万円(前期比42.3%減)となりました。
成長ドライバー
中期経営計画において、情報系事業ではIPを活用したコンテンツ制作や法人向け教育プログラムなど、高付加価値な非印刷領域への投資を強化しています。また、生産モデルを量産型から高付加価値型へ転換することで、既存事業の収益性向上を図る方針です。
生活・産業資材系事業では、環境負荷低減に配慮した包装資材の開発や、東南アジアを中心とした成長市場における販売拡大に注力しています。特にラミネートチューブなどの主力製品において、新規市場の開拓と海外展開を加速させることで、2034年度に向けた売上高および営業利益の目標達成を目指しています。
リスク
深刻な少子化に伴う労働力の確保難や、人材の育成・定着が困難になることによる競争力低下が重要なリスクとして特定されています。また、大規模な自然災害や感染症の流行といった外部要因による事業活動の停滞や、設備への損害によるコスト負担も懸念される要素です。
さらに、サイバー攻撃等による情報漏洩のリスクに対し、ISO認証の維持や専門組織による管理体制の強化を進めています。原材料調達における価格高騰やサプライチェーンの寸断、および気候変動に伴う脱炭素社会への移行コストなど、外部環境の変化に対する機動的な対応が求められる状況にあります。
競合
同社は、印刷技術を基盤としながらも、デジタル化や消費行動の変化に対応するための構造変革を進めています。情報系事業では、単なる印刷からコンテンツ制作やソリューション提供へと領域を広げることで、競合に対する優位性を確保する戦略をとっています。
生活・産業資材分野においては、高機能な包装技術や環境配慮型製品の開発を通じて差別化を図り、安定的な供給体制を構築しています。独自の強みを持つ子会社との連携により、生産から物流までを統合的に管理することで、広範な市場ニーズへの対応力を維持しています。
バリュエーション
2026年8月17日時点の株価は1,742円であり、同日の時価総額は約482.7億円となっています。この時点でのPERは12.38倍、PBRは0.69倍と算出されています。
また、同日時点の配当利回りは4.58%となっており、投資家に対して一定の還元姿勢を示しています。これらの指標は、同社が推進する事業構造の変革と、中長期的な成長に向けた投資フェーズを反映した数値となっています。
