事業モデル
同社は「印刷」「コーティング」「ラミネーション」「成形」「パターンニング」「金属加工」の6つのコア技術を基盤としています。これらの技術を活用し、産業資材、ディバイス、メディカルテクノロジーの3つの主要セグメントを展開しています。
産業資材ではプラスチックへの機能付与や蒸着紙による高付加価値な素材を提供し、ディバイスではタッチセンサー等の精密部品を供給します。メディカル分野では、高度な技術を要する手術機器やウェアラブルセンサーの開発・製造受託(CDMO)および自社ブランド品の展開を行っています。
KPI
同社はサステナビリティビジョンにおいて、売上高3,000億円(うちメディカル分野1,500億円)、ROE 15%、営業利益率12%という野心的な目標を掲げています。これらは長期的な成長と資本効率の向上を目指すための重要な指標です。
また、環境負荷低減に向けた取り組みとして、2030年までにCO2総排出量を2020年比で30%削減する目標を掲げ、既に前倒しで達成しています。次なる目標として、2035年までのさらなる削減を目指すなど、環境経営も重要な指標として管理されています。
成長ドライバー
成長の源動力として「人材能力とコア技術の多様性」を位置づけ、特にメディカル、モビリティ、サステナブル資材の3分野に注力しています。これらの重点市場においては、オーガニックな成長に加え、M&Aを通じた事業拡大を積極的に推進する方針です。
また、新しく強化している一般用医薬品のCDMO事業は、企業買収の効果により需要が拡大しており、将来の成長に向けた重要な柱となっています。研究開発においても、グローバルに拠点を配置し、地域固有のニーズに対応した製品創出とコア技術の拡張を推進しています。
リスク
気候変動への対応として、環境規制の強化やサプライチェーンの寸断による影響を注視しており、2035年に向けた野心的なカーボンニュートラル目標を掲げています。また、人権尊重に向けた方針の改定や、サプライヤーに対する実地監査を通じて、グローバルな事業展開におけるリスク低減に取り組んでいます。
製品の安全性に関するリスクとして、特にメディカルやモビリティ分野では品質管理体制の構築に注力しています。万全の品質管理を期すとともに、薬事担当役員直轄の組織を設置し、重大な品質事故に対する迅速な対応体制を整備することで、事業への影響を最小化する体制を整えています。
競合
同社は独自の技術基盤を持つことで、高度な信頼性が求められるメディカルやモビリティといった高付加価値市場において強固な地位を築いています。特に蒸着紙分野では、グローバルベースで高いマーケットシェアを獲得しており、競合に対する優位性を確保しています。
ディバイス事業においても、タッチセンサーなどの精密部品を通じて幅広いデバイスに採用される技術を提供しています。これらの領域では、単なる汎用品の提供ではなく、高度な加工技術や機能付与を伴う製品を展開することで、独自の競争優位性を構築しているとみられます。
バリュエーション
2026年8月17日時点の市場データにおいて、同社の株価は1,334円となっており、PERは62.89倍と算出されています。一方でPBRは0.71倍であり、資産価値に対して将来の成長期待が織り込まれている構造が見て取れます。
また、同日のデータに基づく配当利回りは3.77%となっています。これらの数値は、同社が掲げるメディカルやモビリティといった高成長分野への投資と、強固な技術基盤を背景とした事業展開の評価を反映しているものと考えられます。
