事業モデル
同社は国内および海外の百貨店事業を主軸とし、これに連動する商業開発、金融、建装、その他の多角的な事業を展開しています。国内百貨店事業では商品の供給や共通のポイントサービスを提供し、海外事業ではアジアを中心とした拠点展開を行っています。
また、国内・海外の商業開発を通じて百貨店との相乗効果を狙うほか、クレジットカードや保険を含む金融事業、内装工事を行う建装事業などを展開しています。これらの事業を統合し、単なる商品販売に留まらない「体験価値」の提供を目指すことで、顧客との接点を多層的に構築しています。
KPI
2026年度の経営目標として、総額営業収益10,550億円、営業利益575億円、自己資本比率33.9%を掲げています。また、ROEは8.3%、ROICは5.5%を目標としており、資本効率を意識した経営を推進しています。
これらの指標は、中期経営計画の最終年度において、成長の加速と経営基盤の強化を測るための重要な指標として位置付けられています。特に、投資効率を重視するROICを軸とした経営の高度化を目指しています。
業績推移

売上高の推移(通期・直近4期)。出典は kabu-insight(yfinance 由来)の通期実績で、古い期から新しい期の順に並べた。
FY2023の売上高は4434.4億円。
FY2024の売上高は4661.3億円。
FY2025の売上高は4984.9億円。
FY2026の売上高は4923.7億円。
成長ドライバー
成長の柱として、百貨店を核とした「次世代型SC」への転換、ベトナム開発を含む「海外事業」、そして顧客の生涯価値(LTV)を最大化する「金融事業」の3領域を強力に推進しています。これらの領域において、各事業で100億円規模の利益創出を目指す方針です。
また、百貨店と専門店の垣根を越えたシームレスな提供体制の構築や、デジタル活用による組織風土の改革も成長を支える重要な要素です。これらの取り組みを通じて、多様な動機を持つ顧客を惹きつけるための「まちづくり」戦略を強化しています。
リスク
事業環境としては、少子高齢化による国内人口の減少や、労働人口の減少に伴う人件費・物流費の上昇が、収益を圧迫するリスクとして認識されています。また、地政学的リスクや為替変動による海外事業の不確実性も重要な管理項目です。
これらに対し、同社は独自の価値提供によるブランド価値の維持や、ECの訴求力向上、さらにはESG経営の推進による信頼獲得で対応しています。特に海外事業においては、現地法人への権限委譲や専門コンサルタントとの協働を通じて、ガバナンスの強化を図っています。
競合
同社は、単なる商品販売の場としての百貨店から、多様なコンテンツを統合した「次世代型SC」への転換を進めることで、競合に対する優位性を構築しようとしています。百貨店と専門店の垣根を越えたシームレスな提供体制の構築が、その核となります。
また、金融事業や海外での拠点展開など、多角的な事業展開を通じて、他社との差別化を図っています。これらの取り組みは、国内の人口減少や消費行動の変化といった厳しい市場環境において、独自の価値を創出するための戦略的な位置づけとなっています。
バリュエーション
2026年8月26日時点の市場データにおいて、同社の株価は2,500.5円、時価総額は約6982.5億円となっています。この時点でのPBRは1.54倍、配当利回りは1.68%と算出されています。
これらの数値は、同社が掲げる「成長の加速」に向けた投資と、将来の成長に向けた基盤整備の進捗を評価する上での基礎となります。投資家は、これらの指標と経営計画の進捗を照らし合わせながら、同社の価値を判断することになります。
