事業モデル
同社は、引越運送事業を中核とし、それに付随するクリーンサービスやリユース事業、電気工事事業などを展開する多角的な事業構造を有しています。引越事業は売上高の8割以上を占める主力事業であり、全国の支社ネットワークを活用して個人および法人向けにサービスを提供しています。
これらの付随事業は、引越に関連する家電販売やハウスクリニング、リサイクル品の取り扱いなど、関連子会社とのシナジーを活かしたサービス拡充を目指しています。また、独自の運行管理システムによる安全性の追求や、ISO9001に基づく品質管理体制の構築を通じて、他社との差別化を図っています。
KPI
当連結会計年度において、引越事業の作業件数は825,134件(前年同期比0.8%増)となり、引越単価も前年同期比1.1%増と堅調に推移しました。これに伴い、引越事業の売上高は好調に推移し、グループ全体の売上高は124,741百万円(前年同期比3.1%増)を記録しています。
一方で、従業員の定着率向上や採用力の強化に向けた投資、および株主優待に関連する費用の増加が影響し、営業利益は12,572百万円(前年同期比2.7%減)となりました。しかし、経常利益は13,229百万円(前年同期比0.7%増)と、安定した収益基盤を維持しています。
成長ドライバー
成長戦略として、引越アライアンスの活用や、物販・電気工事・リユースを組み合わせた顧客価値の最大化を推進しています。特に、法人企業や行政などの非個人領域における高付加価値なサービスへの展開を強化し、事業の多角化を図る方針です。
また、ITやDX、AIの導入による従業員一人あたりの売上高向上や、業務システムの刷新による効率化を推進しています。これらの取り組みを通じて、労働投入量に過度に依存しないオペレーションの実現と、中長期的な企業価値の向上を目指しています。
リスク
引越業界特有の課題として、少子高齢化に伴う若年層の労働力確保の困難さや、引越荷物の小口化による単価の下落リスクが挙げられます。これらのリスクに対し、同社は省力機械の導入や作業形態の見直し、および積極的な広告宣伝と法人営業の強化で対応しています。
また、引越事業への高い依存度や、自然災害による拠点の被災、サイバー攻撃によるシステム停止などのリスクも抱えています。さらに、高度なノウハウを持つ人材の流出による競争力の低下や、個人情報の漏洩による信頼失墜など、多角的なリスク管理体制の構築が重要課題となっています。
競合
引送業界は参入障壁が比較的低く、同業他社との激しい価格競争にさらされる環境にあります。同社はこの競争環境に対し、単なる運送だけでなく、受付から引越後の付随サービスまでを一貫して提供する質の高いサービスで差別化を図っています。
また、全国に展開する支社ネットワークの充実と、販売チャネルの多極化(法人・インターネット等)を進めることで、競合他社に対する優位性を確保しようとしています。特に、付随事業とのシナジーによる顧客体験の向上が、競争優位性を築くための重要な戦略となっています。
バリュエーション
2026年8月19日時点の市場データにおいて、同社の株価は2,982円、時価総額は約1209.8億円となっています。この時点でのPERは14.08倍、PBRは1.22倍と算出されています。
また、同日のデータに基づく配当利回りは5.79%となっており、安定した配当水準を示しています。これらの指標は、同社の事業基盤と市場における評価を反映するものです。
