事業モデル
ヤマトグループは、宅急便を中心としたエクスプレス事業を基盤に、法人向けソリューションを提供するコントラクト・ロジスティクス事業、グローバル事業、および車両整備や燃料販売を行うモビリティ事業を展開しています。
エクスプレス事業では、小口の個人・法人向け配送と、大口法人向けの付加価値に応じたプライシングの適正化を推進しています。また、物流の効率化に向けたリレー方式の導入や、モーダルシフトの推進など、輸送ネットワークの強靭化に取り組んでいます。
KPI
当連結会計年度の営業収益は1兆8,656億75百万円に達し、前連結会計年度と比較して1,029億79百万円の増収を記録しました。この成長は、宅急便の取扱数量拡大や、法人向けビジネスにおけるプライシングの適正化、事業の拡大が寄与しています。
一方で、営業費用は1兆8,373億70百万円と、人的資本への投資やネットワーク投資、調達単価の上昇により前年度比で増加しています。その結果、営業利益は283億4百万円となり、前連結会計年度と比較して140億98百万円の増益を達成しました。
成長ドライバー
成長の柱として、エクスプレス事業における「宅急便当日配送サービス」の提供開始や、特定の配送ニーズに応える「こねこ便420」の拡販を推進しています。これらの施策は、再配達の削減や物流の効率化、さらには温室効果ガス排出量の削減にも寄与するものです。
法人向けでは、2025年10月に福島県郡山市に統合型ビジネスソリューション拠点を開設するなど、高度なロジスティクス機能を備えた拠点の展開を進めています。また、グローバル事業では、海外最大級のロジスティクスセンターの開設や、ASEAN・北米・中国を中心とした営業力の強化を図っています。
リスク
深刻な人手不足による労働力人口の減少は、労働集約型の事業構造を持つ同社にとって、人材確保の困難やコストの増大を招く重要なリスク要因です。これに対し、人材マネジメントの強化や、自動化・効率化によるオペレーションの変革を通じて、人手不足への対応を進めています。
また、サイバー攻撃による情報漏洩やシステム停止のリスクにも注力しており、多層防御やバックアップ体制の構築を行っています。さらに、急速なテクノロジーの進化に対し、AIやIoT、ロボティクスを活用したデータドリブン経営の推進や、DX推進体制の強化を通じて、競争力の維持を図っています。
競合
同社は、宅急便ネットワークの強靭化を通じて、物流事業者との競争環境の変化や、自社物流化を進めるEC事業者との戦略的な関係構築に取り組んでいます。特に、デジタルによる商慣習の変化や、スタートアップ企業による新たなビジネスモデルの台頭を意識した戦略を展開しています。
競合環境への対応として、単なる配送に留まらない付加価値の高いソリューションを法人顧客に提供し、差別化を図っています。また、環境・社会課題の解決を軸としたビジネスモデルの創出を通じて、持続可能な社会への貢献と経済価値の両立を目指しています。
バリュエーション
2026年8月19日時点の市場データにおいて、同社の株価は1,921円、時価総額は約6129.3億円となっています。この時点でのPERは44.84倍、PBRは1.07倍と算出されています。
同社の配当利回りは2026年8月19日時点で2.38%となっており、投資家に対して一定の配当水準を提供しています。これらの指標は、同社が取り組む事業構造の変革や、将来的な成長への期待を反映する要素となります。
