事業モデル

主力のモバイルセグメントでは、世界中で高いシェアを誇る「ibisPaint」を展開しています。このアプリは基本機能が無料で提供される一方で、広告の表示や、広告非表示を含む機能拡張のためのサブスクリプション、および売切型アプリの提供により収益を上げています。

近年は、広告による収益からサブスクリプションによる収益へのシフトが明確に進んでいます。また、ソリューション事業ではITエンジニアの活用による受託開発やシステム構築を行い、AI歌声合成事業では最新の音声技術を用いたプロダクトを展開し、多角的な収益基盤の構築を進めています。

KPI

「ibisPaint」は2025年12月時点で世界で5億2,052万件のダウンロードを記録しています。同アプリは2019年から7年連続で「グラフィックス&デザイン」カテゴリの全世界1位を獲得しており、2025年12月時点の月間アクティブユーザー数(MAU)は4,007万人に達しています。

モバイルセグメントにおける当連結会計年度の売上高は2,830,230千円に達しました。このうち、広告収益は1,349,597千円を計上しており、広告単価の変動がある一方で、サブスクリプションを含むアプリ課金が堅調に推移しています。

成長ドライバー

成長の源泉は、世界19言語に対応した「ibisPaint」のグローバルな展開にあります。特に、2025年8月にリリースされたMac版の展開により、プロユースを含むマルチデバイス展開の基盤を強化し、さらなるユーザー層の獲得を目指しています。

また、教育機関向けの「ibisPaint Edu」の展開により、将来的な有料会員への導線を構築しています。さらに、AI歌声合成事業の拡大や、企業向けAIクラウドサービス「ibisWorks」の展開など、既存のファン層を活かした新規領域への展開も成長を牽引する要素となっています。

リスク

主要なリスクとして、広告市場の動向や景気変動による広告単価の低下が挙げられます。これに対し、同社はサブスクリプションへの移行を強化することで、広告への依存度を下げ、収益構造の安定化を図る方針です。

また、特定のサービス「ibisPaint」への高い依存度や、急速な技術革新、特にAI技術の進化への対応も重要な課題です。これらのリスクに対し、同社は技術の研鑽や人材の育成、および事業ポートフォリオの多角化を通じて、リスクの分散と競争力の維持を図っています。

競合

モバイルアプリ市場は、SNSや動画、ゲームなど多様なコンテンツとの競争が激しい環境にあります。同社は「ibisPaint」の圧倒的なユーザー数とブランド力を武器に、独自のポジションを確立しています。

競合他社がより魅力的なサービスをリリースするリスクに対し、同社は継続的な機能改善や、プロ向けデバイスへの対応、教育機関へのアプローチなど、多角的な施策で優位性を維持しています。また、ソリューション事業やAI歌声合成事業への進出により、競合の多い特定領域への依存を分散する戦略をとっています。

バリュエーション

2026年8月19日時点の市場データにおいて、同社の株価は756円となっています。この時点での時価総額は約140.0億円であり、PERは15.87倍、PBRは4.83倍と算出されています。

また、同日のデータに基づく配当利回りは1.58%となっています。これらの指標は、同社の成長性と市場における評価を反映する重要な指標となります。