事業モデル

同社は、携帯電話事業者のネットワークを活用したモバイル通信サービスおよびモバイル・ソリューションを展開しています。主な事業内容は、個人向けに「日本通信SIM」や「bモバイル」といったブランドで提供するMVNO事業と、法人やパートナー向けに提供するMVNE事業、および海外を含むMSP事業で構成されます。

特に、独自の特許技術であるFPoSを活用し、本人性や真正性を担保した通信基盤および認証基盤を提供する事業を推進しています。この技術は、金融取引の安全性確保と利便性向上に寄与するとして、高度なセキュリティを伴う通信サービスの提供を支える基盤となっています。

KPI

当連結会計年度の売上高は11,633百万円となり、前連結会計年度と比較して2,394百万円の増収(25.9%増)を記録しました。この成長は、主に「日本通信SIM」を中心とした音声定額・準定額サービスの伸長によるものです。

一方で、売上原価は前年度比33.8%増の7,219百万円となっており、これは「日本通信SIM」の成長に伴う携帯網の調達コストの増加が要因です。営業利益は1,134百万円となり、前連結会計年度の962百万円から増加しています。

成長ドライバー

中長期的な成長に向けた「ビジョン2030」を策定し、2030年度に売上650億円、営業利益150億円の達成を目指しています。その柱の一つとして、2026年11月からのサービス提供開始に向けたネオキャリアへの転換に向けた投資を進めています。

ネオキャリアへの移行に向けた初期投資として、社債の発行により計60億円の資金調達を完了しており、ネットワーク構築やオペレーションの整備を進めています。また、特許技術であるFPoSの普及を進めることで、デジタル認証基盤の強化とサービスの差別化を図る方針です。

リスク

事業基盤となるモバイル通信網の調達において、携帯電話事業者との契約維持や調達条件の悪化が、サービスの継続性や競争力に影響を及ぼすリスクがあります。特に、携帯電話事業者が自社サービスを強化した場合、同社への提供条件に反映されないことで競争力が低下する可能性があります。

また、訪日旅行者向け商品の販売は、国際的な社会経済の状況や為替レートの変動、感染症の流行など、外部環境に大きく左右される特性があります。さらに、セキュリティやプライバシーに関する技術・制度の整備が停滞した場合、市場規模の拡大が遅れる可能性も指摘されています。

競合

同社は、携帯電話事業者が積極的に訴求しない領域での潜在需要を喚起することで、通信市場全体の拡大と自社の交渉力の維持・強化を図っています。独自の技術基盤であるFPoSを組み込むことで、他社との差別化を図る戦略をとっています。

競合環境においては、携帯電話事業者が提供する自社サービスとの比較において、独自の付加価値や利便性をいかに維持できるかが重要となります。特に、高度なセキュリティを求める層に対し、独自の認証基盤を武器に独自の立ち位置を確立することを目指しています。

バリュエーション

2026年8月19日時点の株価は116円であり、同日の時価総額は約192.9億円となっています。この時点におけるPERは25.11倍、PBRは4.15倍と算出されています。

同社は、独自の技術基盤を強みとする成長フェーズにあり、ネオキャリアへの移行に向けた投資を完了するなど、将来の成長に向けた布石を打っています。投資判断にあたっては、これらの戦略的な投資が将来の収益性にどのように寄与するかが注目されます。