事業モデル
同社は北海道エリアにおいて、発電、送配電、小売電気事業を主軸とした多角的な事業を展開しています。特に、北海道電力ネットワークを通じての送配電事業や、離島における発電事業など、地域インフラの根幹を支える事業を基盤としています。
事業構造は、電力の安定供給とカーボンニュートラルの実現に向けたGX(グリーントランスフォーメーション)への対応を軸に再編されています。具体的には、原子力、火力、再生可能エネルギーのバランスを最適化しつつ、水素やアンモニアといった脱炭素燃料への転換も進めています。
KPI
当連結会計年度の売上高は、燃料価格の動向に伴う燃料費等調整額の減少により、前年度比で約460億円の減となる8,559億83百万円となりました。一方で、送配電事業においては、託送料金の見直しや需要の増加により、売上高が前年度比で増加しています。
経常利益は、燃料価格の変動や水力発電量の増加といった要因があるものの、原子力再稼働に向けた取り組みや物価・人件費の上昇の影響を受け、前年度比で約27億円の減となる613億48百万円となりました。また、当連結会計年度の総資産は、GXに向けた投資等の影響により、前年度末比で約2,270億円増の2兆4,710億51百万円に達しています。
成長ドライバー
中長期的な成長の柱として、原子力発電の再稼働に向けた「安全性向上計画」の推進と、それに伴う電力供給の安定化を掲げています。特に泊発電所3号機については、2027年の早期再稼働を目指し、設計・工事の認可や防潮堤の設置など、多角的な安全対策に注力しています。
また、再生可能エネルギーの導入拡大に向けた野心的な目標を掲げており、2035年度までに300万kW以上の増を目指しています。さらに、LNG火力発電所の新設や、水素・アンモニアへの燃料転換、CCUSの導入といった脱炭素技術の活用により、将来的な電力需要の増加に対応する体制を構築しています。
リスク
原子力発電の再稼働に向けた審査の進捗や、防潮堤の設置工事の遅延により、燃料費の増大が続く場合には業績に影響を及ぼす可能性があります。また、燃料価格や為替レートの変動、および卸電力市場価格の変動は、直接的なコスト変動要因として常に注視すべき項目です。
気候変動への対応において、カーボンニュートラルへの移行が遅れた場合の競争力低下や、環境規制の強化による影響もリスクとして認識されています。さらに、深刻な人材不足や、資機材調達コストの上昇、さらには自然災害による設備への影響など、事業継続における多角的なリスクへの対応が求められています。
競合
同社は北海道エリアにおける主要な電力供給主体として、安定した送配電網と多様な電源構成を強みとしています。電力市場の競争が激化する中で、燃料費調整制度の活用や、自社発電と市場調達の最適な組み合わせにより、コストの安定化と競争力の維持を図っています。
競合環境においては、再生可能エネルギーの普及に伴う他社販売の増加など、市場構造の変化が顕著です。これに対し、同社はDXの推進や資機材調達の効率化、さらには水素やアンモニアといった次世代技術への投資を通じて、独自の優位性を構築しようとしています。
バリュエーション
2026年8月19日時点の市場データにおいて、同社の株価は1,046.5円となっており、時価総額は約2142.8億円です。この時点でのPERは5.09倍、PBRは0.47倍と算出されています。
また、同日のデータに基づく配当利回りは3.16%となっています。これらの指標は、安定したインフラ事業を基盤としながらも、将来のGX投資や原子力再稼働に向けた取り組みの進捗が、今後の企業価値の評価に影響を与える構造を示唆しています。
