事業モデル
Viasatは、衛星を活用したブロードバンドおよび通信サービスを提供する企業で、通信サービスと防衛・先端技術の2つのセグメントで事業を展開しています。衛星ベースのブロードバンドインターネットアクセスやVoIP、機内接続サービス、政府向けの衛星通信システム、暗号化ソリューションなどを提供し、民間航空、政府、軍事、エネルギー、IoTなど多岐にわたる顧客層を持ちます。また、GEO、LEO、MEO衛星の設計・開発や、直接デバイス向け通信、知的財産のライセンス供与も行っており、宇宙システム全体にわたるソリューションを手掛ける点が特徴です。
収益構造は、衛星通信サービスの継続的な提供による定期的なサービス収入と、機器販売やプロジェクトベースの収入が混在しており、特に通信サービス部門が売上の大部分を占めるとみられます。従業員数は7,000人で、カリフォルニア州カールスバッドに本社を置き、国際的にも事業を展開しています。
KPI
最新会計年度(FY2026)の売上高は46.4億ドル(4,640,280,000 USD)で、前年比2.7%の増加となりました。営業利益率は2.3%と、前期の-2.2%から改善し、黒字転換を果たしています。純利益は前年比94.1%の大幅な増加を示しており、収益性の改善が顕著です。
一方、ROEは-0.7%と依然としてマイナスですが、前期の-12.6%から大幅に改善しており、株主資本の効率性が向上しています。現金及び現金同等物は17.4億ドル(1,735,819,000 USD)を保有しており、財務の安定性を支えています。従業員数は7,000人で、売上高の拡大に伴い事業規模を維持しています。
業績推移

売上高の推移(通期・直近3期)。出典は kabu-insight(yfinance 由来)の通期実績で、古い期から新しい期の順に並べた。
FY2024の売上高は42.8億ドル。
FY2025の売上高は45.2億ドル。
FY2026の売上高は46.4億ドル。
成長ドライバー
成長の主な原動力は、衛星通信市場の拡大と、防衛・政府向けの需要増加です。特に、機内接続サービスや政府向けの衛星通信システムは、民間航空の回復や国防予算の増加に伴い、需要が高まっています。また、GEO、LEO、MEO衛星の設計・開発能力を活かし、新しい衛星コンステレーションの構築や、直接デバイス向け通信などの新興分野への参入が成長を後押ししています。
さらに、IoTやエネルギー分野向けのLバンド管理サービス、プリペイドインターネットサービスなど、新たなサービスラインの拡充も成長に寄与しています。国際展開も積極的で、米国以外の市場での売上拡大が期待されます。これらの多角化戦略により、売上高は過去3年間で42.8億ドルから46.4億ドルへと着実に増加しています。
リスク
主要なリスクとして、衛星通信業界の競争激化が挙げられます。他社との競争により、価格圧力や市場シェアの変動が生じる可能性があります。また、衛星の打ち上げ失敗や軌道上の故障など、技術的なリスクも存在し、これらは事業運営に重大な影響を与える可能性があります。
さらに、政府契約への依存度が高いため、国防予算の削減や政策変更が業績に影響を及ぼすリスクがあります。また、多額の設備投資が必要な資本集約型ビジネスであり、負債の増加や資金調達コストの上昇が財務リスクとなる可能性があります。加えて、国際事業展開に伴う為替変動や規制変更もリスク要因です。
競合
競争環境としては、衛星通信市場では、他の衛星通信事業者や地上波通信事業者との競争があります。特に、低軌道衛星コンステレーションを展開する新興企業や、既存の大手衛星事業者が競合となります。また、防衛・政府向け分野では、大手防衛企業や専門の通信機器メーカーとの競争が激しく、技術力と価格競争力が求められます。
Viasatは、衛星技術と地上システムの統合ソリューション、政府向けの高度な暗号化技術、多軌道対応の衛星プラットフォームなどで差別化を図っています。また、機内接続サービスでは、航空会社との長期契約を獲得しており、競争優位性を築いています。しかし、競合他社も技術開発を進めており、市場シェアの維持には継続的な革新が必要です。
バリュエーション
最新の市場データに基づくと、株価は67.66ドル(2026年9月1日時点)で、時価総額は約92.8億ドル(9,281百万USD)です。PBRは1.97倍となっており、純資産に対してやや割高な水準にあります。配当は行われていないため、株主還元は株価上昇に依存しています。
財務指標では、営業利益率が2.3%と黒字転換したものの、ROEは-0.7%と依然として低く、収益性の改善が続くかが注目されます。時価総額は売上高の約2倍に相当し、市場は今後の成長を織り込んでいる可能性があります。ただし、競争激化や技術リスクを考慮すると、バリュエーションは割高感もあるため、慎重な評価が必要です。
