アプライズ
Performance
株価チャート
業績・財務
業績・財務
| 売上高 | 7億円 |
| 営業利益 | 2,350万円 |
| 純利益 | 4,343万円 |
| 営業利益率 | 3.6% |
| ROE | 24.9% |
| ROA | 12.1% |
| 自己資本比率 | 48.7% |
| 総資産 | 4億円 |
| 純資産 | 2億円 |
業績推移
売上・利益の推移
ROE・ROA の推移
詳細指標
詳細指標
| ROIC | — |
| ROE | — |
| ROA | — |
| FCFマージン | — |
| 粗利益率 | — |
| 営業利益率 | — |
| 営業CFマージン | — |
| 配当性向 | — |
| 配当成長率(3年) | — |
| Net Debt/EBITDA | — |
| 実効税率 | — |
| 自社株買い傾向 | — |
バランスシート
バランスシート
| ネットキャッシュ | -9,544万円 |
| NC比率 | -26.5% |
| 流動資産 | 2億円 |
| 有価証券 | — |
| 現金 | 8,805万円 |
| 負債総額 | 2億円 |
| 時価総額(BS時点) | 4億円 |
企業レポート分析
ビジネスモデル
株式会社アプライズ(コード:134A)は、2014年の創業以来「ベトナム人に特化した人材支援サービス」を中核事業とするユニークなビジネスモデルを構築している。具体的には、日本企業向けに①派遣・アルバイト紹介、②特定技能登録支援、③技術・人文知識・国際業務(技人国)ビザでの就労支援、④正社員紹介という4つのサービスラインを提供しており、求職者(ベトナム人材)からは原則として手数料を一切取らず、採用企業側から紹介料・派遣マージンのみで収益を得る「求職者無料モデル」が最大の特徴である。ベトナム国内に100%子会社を設立し、創業期からの生え抜き社員を現地社長に据えることで、日本企業の採用ニーズに合致した人材を教育・即戦力化した上で供給する「垂直統合型サプライチェーン」を実現している。 2006年に設立された旧会社を前身とし、2024年2月にTOKYO PRO Market(東証プロ市場)に上場。東京都品川区に本社を置き、2025年9月には大阪・名古屋への営業所展開も実現した。累計15,000人超のベトナム人材の就業支援実績を持ち、一般労働者派遣事業許可(許可番号:派13-305951)・有料職業紹介事業許可(13-ユ-306908)・登録支援機関(19登-000419)・宅地建物取引業(東京都知事(1) 第108029号)という複数の許認可を保有する。 資本金は4,000万円(2020年の増資後)で、代表取締役社長は岩堀克英氏が務める。
主要KPI
アプライズの主要KPIは、①売上高の規模と成長率、②派遣稼働人数(登録・稼働ベトナム人材数)、③正社員・特定技能紹介件数、④営業利益率および純利益率、⑤拠点数(営業所数)の5つが中心となる。2025年12月期(非連結)の決算短信によれば、売上高は3億1,500万円(前年比+4.16%)、純利益は4,284万円(前年比+547.91%と大幅増)を記録しており、黒字転換もしくは大幅な利益改善が確認されている。 利益率については純利益ベースで約13.6%に達しており、人材サービス業としては比較的高い水準にある。2024年12月期には業績予想の修正と特別利益(投資有価証券売却益)の計上があった点も注目される。 稼働人数については2019年12月時点で約1,000人の派遣・40人/月程度のアルバイト紹介・55人/年の正社員紹介という実績があり、それ以降の成長を経て現在に至る。拠点数は2025年9月に大阪・名古屋を追加し、東京(本社)を含む3拠点体制へ拡大した。
成長ドライバー
アプライズの成長を牽引する主要ドライバーは、第一に日本国内における深刻な労働力不足と外国人材需要の構造的拡大にある。少子高齢化による生産年齢人口の減少が続く中、介護・ドライバー・建設・製造業など多分野でのベトナム人材需要は年々拡大しており、同社は特定技能制度の整備とともに事業機会が増大している。第二のドライバーは、競合他社には真似しにくい「求職者無料モデル×ベトナム現地教育」の仕組みである。 ベトナム現地子会社での日本語・職業スキル教育を行うことで質の高い人材を安定供給できるため、企業側リピート率の向上が期待できる。第三には地方展開の加速があり、2025年9月に大阪・名古屋の営業所を開設したことで全国的なカバレッジが広がり、製造業・物流業が集中する地方都市の需要を取り込める体制が整いつつある。第四は政府の外国人受け入れ政策の強化であり、特定技能2号の対象職種拡大や育成就労制度(旧技能実習制度の見直し)により、企業の中長期的な外国人雇用ニーズが一層高まることが見込まれる。 また宅地建物取引業免許(2022年取得)を活用した、外国人材向けの住宅支援サービスへの展開も付加価値向上の余地として存在する。
リスク
アプライズが直面するリスク要因は複数あり、まず規制・政策リスクが最も重要である。同社の事業は一般労働者派遣事業・有料職業紹介事業・登録支援機関の各許認可を前提としており、法改正や許認可の更新失敗・取り消しは事業継続に直接影響する。特に出入国在留管理法の改正や技能実習法の抜本的見直し(育成就労制度への移行)は制度変更リスクとして常在する。第二に規模リスクがある。 2025年12月期の売上高は約3.15億円と比較的小規模であり、社員数も非常に少数(13人程度と報告)であることから、特定スタッフへの依存度が高く、キーマンリスクが大きい。第三に為替・地政学リスクがある。ベトナムでの現地法人運営はドン建てのコストを伴い、ベトナム国内の物価上昇・経済変動・政治的不安定は採用コストや人材の質に影響しうる。第四に競合激化リスクがある。 外国人材市場には大手人材会社(リクルート、パーソル等)や新興プレーヤーが参入しており、ベトナム人特化ニッチで優位性を維持するためには継続的なブランド構築と品質管理が必要である。第五に景気変動リスクがあり、景気後退期には企業の採用抑制が起こりやすく、特に派遣需要は変動が大きい。2024年12月期に業績予想を下方修正した経緯は、実需変動への脆弱性を示唆している。
競合
アプライズが属する「外国人材サービス」市場は急成長しており、競合環境は複雑である。大手では、リクルートグループ(リクルートスタッフィング等)やパーソルグループ、デンソーテン・マンパワーなどが外国人材派遣に進出しているが、ベトナム人特化という明確なニッチに特化している点でアプライズは差別化されている。同業のベトナム人・東南アジア人材特化企業としては、Guidable(外国人向け求人プラットフォーム)、ジョブロード、グローバルエッジキャリアーズ等が競合しうる。 最大の競合優位性は①求職者無料モデルによる優秀なベトナム人材の獲得力、②ベトナム現地子会社での教育インフラ、③累計15,000人超の就業支援実績に基づく口コミ・信頼度という3点にある。一方、フィリップ証券のレポート(2024年2月)でも言及されているように「求職者から料金を徴収しない事業モデルを強みに日本全国で広範囲に人材提供が可能」と評価されており、業界内での独自ポジショニングが認められている。ただし、大手人材会社が類似モデルを開始した場合のリスクは潜在的に存在し、ブランドと関係性の深化が防衛策となる。 市場全体としては、在日ベトナム人が約50万人を超える規模に成長しており、同社の事業可能領域は継続的に拡大している。
バリュエーション
アプライズ(134A)はTOKYO PRO Market上場銘柄であり、一般投資家向けの流動性が限定的なプロ投資家向け市場での取引となるため、バリュエーション評価には慎重さが必要である。財務面では、2025年12月期に売上高3.15億円・純利益4,284万円という実績を達成しており、純利益率は約13.6%と人材派遣業としては良好な水準である。前年比で純利益が+547.91%という急増は、通常の業績改善に加え特別利益の剥落・消滅した前年比較の影響も含む可能性があるため、継続的な実力値の確認が必要である。 資本金4,000万円・発行済株式数は上場時点で限定的(960,000株が発行可能株式総数)であり、小型株として時価総額は数億円〜十数億円程度の水準にあると推測される。成長段階の人材サービスベンチャーとして、PSR(株価売上高倍率)1〜3倍、PER(株価収益率)10〜30倍程度が業界比較の目安となり得る。大阪・名古屋への拠点展開、特定技能制度の拡充、ベトナム現地での教育投資継続という成長戦略が実現すれば、売上規模は中長期的に現在の2〜3倍程度まで拡大するシナリオが描けるが、小規模・少人数組織ゆえのスケールアップリスクも考慮する必要がある。 配当については、開示資料上では無配または少額配当の可能性が高く、成長投資優先のフェーズと考えられる。