三興商事
Performance
株価チャート
業績・財務
業績・財務
| 売上高 | 32億円 |
| 営業利益 | 2億円 |
| 純利益 | 1億円 |
| 営業利益率 | 4.8% |
| ROE | 16.1% |
| ROA | 6.5% |
| 自己資本比率 | 40.3% |
| 総資産 | 18億円 |
| 純資産 | 7億円 |
業績推移
売上・利益の推移
ROE・ROA の推移
詳細指標
詳細指標
| ROIC | — |
| ROE | — |
| ROA | — |
| FCFマージン | — |
| 粗利益率 | — |
| 営業利益率 | — |
| 営業CFマージン | — |
| 配当性向 | — |
| 配当成長率(3年) | — |
| Net Debt/EBITDA | — |
| 実効税率 | — |
| 自社株買い傾向 | — |
バランスシート
バランスシート
| ネットキャッシュ | -8億円 |
| NC比率 | -72.9% |
| 流動資産 | 22億円 |
| 有価証券 | 2,006万円 |
| 現金 | 10億円 |
| 負債総額 | 17億円 |
| 時価総額(BS時点) | 10億円 |
企業レポート分析
ビジネスモデル
三興商事株式会社は1971年創業の静岡県静岡市を本拠とする建材総合商社であり、「建築工事における施工管理と営業」を核事業としている。具体的には、設計事務所・建築家・ゼネコン等を主要顧客として、金属屋根・外壁・固定柱脚・金属製建具・木製建具・EXP金物・体育館床・体育器具・ステンレスプール・乾式タイル・木造大断面材等の建築資材を取り扱い、調達から現場管理まで一貫して担う。同社の強みは「設計・デザインを理解した最適な提案力」と「緻密な施工技術力と管理体制」にあり、設計者の意図を計画段階から最終納品まで一貫して守り抜く伴走型サービスを提供している。 売上高は「完成工事高」として計上されており(非連結・日本基準)、主に公共建築物(学校・公民館等)と民間施設(工場・倉庫等)を対象とする案件受注型の事業モデルである。資本金4,000万円・従業員数は中小規模ながら、設計者コミュニティとの深い信頼関係を軸に、静岡・沼津・浜松・横浜・さいたま・名古屋・豊橋(2025年7月開設)の7拠点を展開し受注エリアを拡大している。
主要KPI
最重要KPIは完成工事高(売上高)の推移であり、2023年6月期2,980百万円→2024年6月期3,181百万円(+6.8%)→2025年6月期3,193百万円(+0.4%)と緩やかな成長が続いている。2026年6月期上半期(2025年7〜12月)の売上高は1,652百万円と前年同期比41.1%増を達成しており、後半への期待が高まっている。 利益指標では、売上高営業利益率が2023年6月期4.1%→2024年6月期4.8%→2025年6月期6.7%と顕著に改善しており、案件ミックスの最適化や採算重視の営業方針転換の成果が表れている。財務指標では自己資本比率が2023年6月期35.5%→2024年6月期40.3%→2025年6月期48.4%と堅実な財務体質の強化が確認でき、無配方針から純資産積み上げによる内部留保重視の姿勢が窺える。 2026年6月期上半期時点での自己資本比率は35.2%(純資産942百万円)と低下しているが、これは総資産2,677百万円への増加に伴う一時的なものと見られる。1株当たり純資産(BPS)は2025年6月期3,571.25円から2026年6月期中間3,928.75円へ増加している。
成長ドライバー
第一の成長ドライバーは拠点拡大による受注エリア拡大である。横浜(2015年)・さいたま(2017年)・名古屋(2020年)・豊橋(2025年7月)と積極的に関東・東海圏へ展開しており、1人当たり売上の最大化よりも面的拡大戦略を取っている。 2026年6月期上半期の売上高が前年同期比41.1%増(1,652百万円)という大幅増収の主因は、新規拠点の立ち上がりと既存拠点の案件積み上げによるものと推察される。第二のドライバーは日本国内の建設需要の安定性であり、特に学校・公民館等の公共建築の更新・耐震化投資は継続的な需要を生み出している。 第三のドライバーは建材商社としての専門性向上であり、メーカーとの合同研修旅行など独自の関係構築によりメーカー側からの案件紹介・優先供給を受ける仕組みを構築している。第四のドライバーは採算管理の強化であり、売上高はほぼ横ばいの中で営業利益率を4.1%から6.7%へ改善させるなど、不採算案件の排除・高付加価値案件の選択が奏功している。
リスク
最大のリスクは建設投資の景気循環との連動性である。民間設備投資が冷え込む局面では受注単価・件数が同時に低下しやすく、2023年6月期→2025年6月期の2年間で売上高成長率は+0.4%と実質横ばいになっており、景気敏感型ビジネスの特徴が現れている。第二のリスクは建設資材価格の高騰・調達難である。 ウッドショック・鋼材価格上昇等の資材インフレが続く中、案件単価への価格転嫁が遅れると利益率が圧迫される可能性がある。第三のリスクは技術者・施工管理者不足の深刻化であり、国内建設業全体で慢性的な人材難が続く中、拠点拡大に見合う人材確保・教育コストが増加する可能性がある。第四のリスクはTOKYO PRO Marketという流動性の低い市場での上場に伴うIR・コンプライアンスコストの増加と、流動性の乏しさによる株価形成の不安定さである。 第五のリスクは支配株主との関係であり、2024年・2025年に「支配株主等に関する事項について」の適時開示が行われており、支配株主の意向が経営方針に影響するリスクが存在する。また建設業法・建築基準法等の法規制変更も事業環境に直接影響する。
競合
三興商事の競合は、建材メーカー直販部門、大手建材商社(コメリ・建材流通大手等)、および地域密着型の建材仲介業者と多岐にわたる。ただし同社は大手建材商社とは異なり「設計者・建築家への提案に特化した建材施工管理商社」として独自のポジションを築いている。 競合差別化の核は、①設計計画段階から関与し設計者の意図を理解した提案ができる「デザイン理解力」、②多品種の建材(16業種の建設業許可を保有)を横断的に扱える「ワンストップ対応力」、③職人・メーカーとの長期的な関係に基づく「調整力・問題解決力」である。日本建築家協会(JIA)・静岡県建築士会等との密接な関係を通じた設計コミュニティ内での信頼ブランドが構築されており、単純な価格競争に陥りにくいポジションにある。 規模は小さいが静岡県内での実績45年以上を活かし、関東・東海への展開に際しても同様の設計者コミュニティとの関係構築を進めている。ただし全国展開を図る場合は大手建材商社との競合リスクは増大する。
バリュエーション
三興商事はTOKYO PRO Market上場のため株式流動性が極めて乏しく、通常の時価総額比較によるバリュエーション評価が難しい。財務指標ベースでは、2025年6月期の純資産857百万円・当期純利益143百万円(ROE 18.2%、ROA 8.1%)という高収益体質が確認されており、自己資本比率48.4%の堅固な財務基盤を有している。売上高3,193百万円・営業利益215百万円(営業利益率6.7%)という水準は建材商社の中では利益率が比較的高く、採算重視の経営が奏功している。 2026年6月期は上半期だけで売上高1,652百万円・純利益85百万円(年換算で170百万円程度)を達成しており、通期では前期を大きく上回る可能性が高い。仮に時価総額を純資産の1〜1.5倍(PBR)と推定すれば857〜1,285百万円程度、PER10〜15倍で計算すれば1,430〜2,145百万円程度の企業価値水準となる。2023年11月に実施した1株3株の株式分割と2024年2月のTOKYO PRO Market上場は資本政策上の積極姿勢を示しており、将来的な上位市場への移行も視野に入る可能性がある。 配当については上場来無配を継続しており、内部留保の積み上げと拠点展開投資を優先している点は成長局面の中小型銘柄として理解できる姿勢である。