Cocolive
Performance
株価チャート
業績・財務
業績・財務
| 売上高 | 13億円 |
| 営業利益 | 3億円 |
| 純利益 | 2億円 |
| 営業利益率 | 21.5% |
| ROE | 23.5% |
| ROA | 19.8% |
| 自己資本比率 | 84.1% |
| 総資産 | 11億円 |
| 純資産 | 9億円 |
業績推移
売上・利益の推移
ROE・ROA の推移
詳細指標
詳細指標
| ROIC | — |
| ROE | — |
| ROA | — |
| FCFマージン | — |
| 粗利益率 | — |
| 営業利益率 | — |
| 営業CFマージン | — |
| 配当性向 | — |
| 配当成長率(3年) | — |
| Net Debt/EBITDA | — |
| 実効税率 | — |
| 自社株買い傾向 | — |
バランスシート
バランスシート
| ネットキャッシュ | — |
| NC比率 | — |
| 流動資産 | 11億円 |
| 有価証券 | — |
| 現金 | — |
| 負債総額 | 1億円 |
| 時価総額(BS時点) | 22億円 |
企業レポート分析
ビジネスモデル
Cocolive株式会社(証券コード137A、東証グロース)は「テクノロジーとマーケティングの力で、住宅・不動産業界で働く『人』の力が最もうまく活かされる仕組みを創り上げたい」をミッションに掛げ、BtoB SaaS事業を単一セグメントで展開している。主力プロダクトは住宅・不動産販売業者向けの追客特化型マーケティングオートメーション(MA)ツール『KASIKA(カシカ)』であり、日本国内の工務店・ハウスメーカー、不動産売買仲介業者、分譲マンション事業者を主たる顧客ターゲットとしている。 KASIKAは集客後の「追客」フェーズに特化しており、ポータルサイトからの問い合わせを自動で顧客リストに加え、オリジナル返信メールの自動送信、属性別メルマガ一斉配信、契約確度の高い優良顧客の絞り込みといった機能を提供する。料金体系は月額利用料金(店舗数課金・ユーザー数課金)と初期費用によるサブスクリプションモデルが中心であり、1店舗あたり月額5万円、SMSオプション追加で月額6万円というシンプルな料金設定を採用している。 直接販売に加え、LIXIL・イー・ステート・オンライン・プライムクロス等と代理店契約(パートナーシップ契約)を締結した間接チャネルも活用することで、効率的な顧客獲得を実現している。解約不可期間を設けない柔軟な解約ポリシーと、カスタマーサクセス部門による継続的なサポート体制を組み合わせることで、前期(2025年5月期)年間平均の単月解約率を1.1%という低水準に抑えている。
主要KPI
Cocoliveの最重要KPIは「売上高成長率」と「単月解約率(MRRチャーン率)」の2つである。売上高は2019年5月期の0.63億円から2025年5月期の13億円へと素4年間で紎20倍以上の成長を遂げており、特に2020年5月期(+117.5%)、2021年5月期(+117.3%)は倍増ペースで拡大した。2025年5月期の売上高は13.02億円(前期比+26.7%)と高成長を維持しているが、2026年5月期通期予想は14.51億円(+11.5%)へと成長率が鲍化している見通しである。 単月解約率は2025年5月期で年間平均 1.1%であり、SaaS事業として良好な水準を示している。利益面では2025年5月期の営業利益2.80億円(営業利益率21.5%)、経常利益2.81億円、純利益2.09億円(ROE 23.6%)と高収益を達成したが、2026年5月期は下方修正後の通期予想で営業利益1.82億円(同12.5%)と大幅な利益率低下を見込む。財務健全性は極めて高く、2025年5月期の自己資本比率は83.9%、純資夰8.90億円、現金8.78億円(現金比率=総資産の83%)と無借金経営を継続している。 営業CFマージンも 2025年5月期の 17.0%と良好であり、IPO(2024年3月東証グロース上場)で調達した資金を含めたキャッシュが豊富な状態である。
成長ドライバー
第一の成長ドライバーは不動産業界のデジタル化(DX)の進展である。日本の不動産取引業市場は絀16兆円規模であり、住宅購共1件当たりの取引金額が平均 4,695万円と高額なため、追客コストを正当化しやすい構造にある。不動産業界の離職率は16.3%と産業平均 15.4%を上回り、属人的な営業スタイルからの脱却ニーズが高く、MAツール導入への圧力が継続的に働いている。 第二の成長ドライバーはオプション機能の拡充とクロスセルである。SMS送信オプション(月額1万円)やAI査定オプション機能を追加しており、1顧客あたりの月次収益(ARPU)の向上が期待できる。2026年1月にはハイパーオートメーションツール「Yoom」との双方向 API連携を開始し、SalesforceやKintone等の他システムとのデータ連携機能を強化することで、既存顧客の利便性向上と新規顧客獲得につなげる戦略を推進中である。 第三の成長ドライバーは既存不動産市場以外への領域拡張であり、「サービス付き高齢者住宅の提供会社」などの高齢化社会に伴う新規不動産関連市場や、「リフォーム」等の購入後領域へKASIKAを展開する計画が示されている。また、代理店ネットワーク経由の間接販売体制は、自社営業コストを抑制しながら顧客獲得を加速させる仕組みであり、特に不動産ボランタリーチェーンを運営する会社との連携が潜在顧客へのリーチを広げている。
リスク
最大のリスクは単一プロダクト(KASIKA)への収益集中である。有価証券報告書において「当社の売上高はKASIKAに依存したものとなっており、KASIKAの売上高が著しく減少した場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性がある」と明記されており、売上分散が進んでいない現状では、競合激化や市場環境変化の影響を直接受けやすい。2026年5月期第2四半期(2025年6月~11月)において、通期業績が大幅に下方修正された実態がこのリスクを体現しており、同期経常利益は前年同期比9.8%減の1.11億円、通期予想も従来の3.15億円から1.85億円へと 41.3%の下方修正となった。 下方修正の主因は「中長期的な事業成長に向けた積極的な人員採用に対し、社員育成体制の整備が遅れたため顧客数が伸び悩み、人件費・業務委託費といったコストが増加した」点にある。第二のリスクは潜在株式(新株予約権)の希薄化リスクであり、有報提出日現在の発行済株式に対する潜在株式数の割合は17.41%と高水準で、行使時には1株当たり指標の大幅な悪化が見込まれる。第三のリスクはクラウドインフラの特定事業者(さくらインターネット)への依存であり、障害発生時のサービス停止リスクが存在する。 また、顧客が属する不動産業界の景気変動深度の高さも業績変動要因となり、金利動向・地価動向・資材価格高騰等が間接的にKASIKAへの需要に影響する可能性がある。
競合
KASIKAが競合するのは、不動産業界向けのMAツール・CRM・追客システム市場である。主要競合としては「マイホムビズ(myhm)」(物件管理・アプリ・安価なプラン強みを持つ不動産特化ツール)、「Sales Cloud + Salesforce MA」(CRM機能と拡張性が強みだが高コスト)、「List Finder」(BtoB向けで導入手軽な汎用MAツール)、「Digimaプラットフォーム」(工務店向けメール・ウェブ追跡機能)等が挙げられる。 KASIKAの競合優位性は①不動産業界に深く特化した UI/UX(営業担当者目線の操作性)、②不動産特有の追客プロセス(問い合わせ→検討期間→成約)に最適化した機能設計、③カスタマーサクセス部門による個別勉強会や活用支援など充実したサポート体制、④1.1%という低チャーン率が証明する高い顧客満足度、にある。市場の汎用MAツール(HubSpot、Marketoなど)と比較すると、垂直特化型であることが強みかつ成長天井の制約ともなる。 不動産テック分野では大手 ITベンダーによる業界特化型ツールの開発・投入も進んでおり、今後は資本力のある競合の参入リスクにも注視が必要である。現時点での市場シェアは公開されていないが、 2025年5月期末時点での累計顧客数・解約率から判断すると、国内不動産会社向け追客MAとして一定のプレゼンスを持つと推察される。
バリュエーション
2026年3月24日時点の株価は688円、時価総額は素20.9億円(発行済株式数約304万株)である。2026年5月期の下方修正後の通期予想EPS(1株当たり純利益)は46.98円であり、予想PERは絀14.6倍と計算される。前期(2025年5月期)の実績PERは9.64倍(EPS 71.39円、株価688円)であり、利益の大幅減益予想を反映して相対的に割高感がある。 PBRは2.12倍(BPS 324.53円)であり、純資産を2倍超の評価が付いているが、ROEは今期予想で 14.5%まで低下する見込みである。上場直後の2024年には株価4,080円(時価総額119億円)に達したが、現在は上場来安値圈で推移しており、2026年1月13日には下方修正発表を受けて当日だけで 26.2%の急落・上場来安値更新となった。比較指標として、同社の過去平均PERは2024、2025年で 11.98〕76.36倍のレンジで大きく変動している。 現時点では、売上成長の鲍化(予想+11.5%)と利益水準の大幅低下(営業利益率12.5%まで低下)が株価の重石となっている。ただし、財務健全性(自己資本比率83.9%、現金8.78億円)と低チャーン率(1.1%)から判断すると、事業の基盤自体は維持されており、下期(2025年12月~2026年5月)の人員育成課題の克服と顧客獲得回復が実現すれば、来期以降の業績改善余地がある。時価総額20.9億円は前期純利益2.09億円に対してPER絀10倍であり、中長期的な成長回復シナリオでは割安感もある水準といえる。