ベルグアース
Performance
株価チャート
業績・財務
業績・財務
| 売上高 | 73億円 |
| 営業利益 | -3,263万円 |
| 税引前利益 | 2億円 |
| 純利益 | 4,833万円 |
| 営業利益率 | -0.4% |
| ROE | 2.3% |
| ROA | 0.8% |
| 自己資本比率 | 34.9% |
| 総資産 | 61億円 |
| 純資産 | 21億円 |
業績推移
売上・利益の推移
ROE・ROA の推移
詳細指標
詳細指標
| ROIC | — |
| ROE | — |
| ROA | — |
| FCFマージン | — |
| 粗利益率 | — |
| 営業利益率 | — |
| 営業CFマージン | — |
| 配当性向 | — |
| 配当成長率(3年) | — |
| Net Debt/EBITDA | — |
| 実効税率 | — |
| 自社株買い傾向 | — |
バランスシート
バランスシート
| ネットキャッシュ | -28億円 |
| NC比率 | -61.9% |
| 流動資産 | 28億円 |
| 有価証券 | 2億円 |
| 現金 | 9億円 |
| 負債総額 | 39億円 |
| 時価総額(BS時点) | 46億円 |
企業レポート分析
ビジネスモデル
ベルグアース株式会社は、愛媛県宇和島市を本拠とする野菜接ぎ木苗の生産・販売を主力とする農業関連企業である。同社グループは連結子会社3社・非連結子会社3社・関連会社4社の計11社から構成され、野菜苗・苗関連事業、農業・園芸用タネ資材販売事業、小売事業の3事業を展開している。中核事業は果菜類(トマト、キュウリ、ナス、スイカ等)の接ぎ木苗の受注生産であり、連作障害・病害虫に対する強耐性と高い生産性を兼ね備えた苗を、全国各地の農業産地やホームセンターなどの量販店に供給する。 接ぎ木苗の生産には高度な技術・多額の設備投資が必要であることから参入障壁が高く、施設栽培の普及・農家の高齢化・大規模化に伴い需要が拡大してきた。近年はウイルスガード苗ZY・CWや高接ぎハイレッグ苗といった付加価値商品も展開し、品種の多様化にも注力している。国内に多数の生産農場を展開し、産地の分散によって天候リスクや自然災害リスクの低減を図りながら年間を通じた安定供給体制を整備している。 また、タネ資材販売や小売事業を組み合わせることで農業バリューチェーンの中での総合的な付加価値提供を目指している。
主要KPI
売上高は2025年10月期で73.0億円(前期比2.94%増)、2026年10月期予想は80.0億円(同9.54%増)と拡大基調にある。営業利益は2025年10月期が▲3,262万円(赤字転落)だったが、2026年10月期は1.1億円(営業利益率1.38%)への黒字化を目指している。自己資本比率は2025年10月期34.9%と一定の財務健全性を保ちながらも、有利子負債残高は2,407百万円(含むリース債務)と総資産の約4割に相当する水準で資金繰り管理が課題となっている。 EPSは2025年10月期30.22円、2026年10月期予想33.74円と小幅な利益水準にとどまっており、PERは予想ベースで95倍超と割高感がある。ROEは2025年10月期2.28%・ROAは0.8%と低水準であり、収益性の改善が重要KPIとなっている。配当は1株10円(配当利回り0.31%)で安定配当方針を維持しており、配当性向は33.1%(2025年10月期)。 営業CFマージンは2025年10月期4.52%と改善傾向であるものの、設備投資額が6.4億円(2025年10月期)と大きく、フリーCFは依然マイナスの状態である。
成長ドライバー
最大の成長ドライバーは施設栽培の普及拡大と農家の大規模化・高齢化である。国内の農業生産において施設栽培では接ぎ木苗がなくては栽培が不可能に近いとされるほど定着しており、その普及が続く限り同社の苗需要は構造的に増加する。次に、付加価値苗(ウイルスガード苗・高接ぎハイレッグ苗)の拡販による単価向上が利益率改善に寄与すると期待されている。 2026年10月期の売上高予想は80億円と前期比9.5%増と加速しており、この背景には接ぎ木苗需要の回復・設備増強による供給能力拡大がある。また、2025年10月期は設備投資に6.4億円を投じており、新型の閉鎖型苗生産施設や冷房設備・環境計測制御装置の導入による生産性改善が中期的な原価率低減に寄与する見通しである。海外展開(中韓等の農業大国)への進出を四季報が指摘しており、アジア圏の農業需要を取り込む可能性も成長余地として注目される。 農業DX・データ活用による栽培技術の標準化・生産効率向上も長期成長ドライバーとして研究開発活動に位置付けられている。
リスク
第一のリスクは天候・自然災害リスクである。苗の受注生産はハウス栽培が主であるものの気温・日照の影響を受け、猛暑・日照不足・台風等が品質低下や生産量不足を招き業績に直結する。第二は種子・原油等コストの変動リスクであり、海外採種主流の種子は突発的な値上がりリスクがあり、原油価格上昇は冬期の燃料費・育苗資材コストを押し上げる。 第三は病害虫リスクである。主に屋外ハウスでの栽培のため病害虫の完全防除は難しく、納品後の発生による補償リスクや風評による受注減少リスクが存在する。第四は人材リスクであり、高度な栽培技術者の育成・確保・定着が事業拡大の制約となりうる。 第五は農地法等法規制リスクであり、農地法改正の動向・農薬取締法・種苗法の規制変更が事業展開に影響を与える可能性がある。第六は固定資産の減損リスクであり、積極的な設備投資を続ける中、収益性低迷時に減損処理が財務を悪化させる可能性がある。第七は有利子負債依存リスクであり、有利子負債2,407百万円(自己資本比率34.9%)の水準は金利上昇局面での財務費用増大につながる。
競合
野菜接ぎ木苗市場における同社のポジションは国内最大手級であり、技術的参入障壁の高さと全国の生産農場網が競合優位の源泉である。接ぎ木苗生産には高い技術習熟と多額の設備投資が必要なため、異業種からの新規参入は困難とされている。主な競合他社としては地域密着型の苗生産業者や農業資材メーカーが挙げられるが、ベルグアースは全国規模での納品体制と品種の多様性(ウイルスガード苗等の特殊苗を含む)で差別化を図っている。 上場企業としての情報開示や研究開発投資を通じた技術革新力も競合優位として機能している。一方、グループ企業での育種事業開始により種子の内製化を進め、コスト競争力の強化を図っている。農業・園芸用タネ資材販売(子会社:株式会社むさしのタネ等)と苗生産の垂直統合的展開は、調達コスト低減と品種開発力強化に寄与する点でも差別化要素となっている。 海外農業市場への展開(中韓等)が実現した場合、既存の国内競合他社が追随できない先行者優位を獲得できる可能性がある。
バリュエーション
2026年3月時点の株価3,230円、時価総額52億円に対して、2026年10月期予想EPS33.74円・予想PER95.7倍と同業比で割高なバリュエーションとなっている。PBRは2.76倍(BPS約1,170円)で、純資産に対して2倍以上のプレミアムが付いている状態である。 直近5年間のPER水準は赤字期を含みながら広範に推移しており、2012〜2025年で▲140〜29倍の範囲という不安定な収益性が反映されている。ROEが2.28%・ROAが0.80%という低水準から、現在のバリュエーションは将来の収益回復への期待が相当織り込まれていると解釈できる。 2026年10月期の黒字化(経常利益1.05億円)に向けたターンアラウンドへの期待が株価支持要因となっているが、2023〜2025年の3期連続で経常赤字・低利益にとどまった経緯を踏まえると、業績回復の蓋然性をより高めるための継続的な設備投資成果の可視化と原価率改善が株価評価の鍵となる。配当利回り0.31%は低水準だが、メロン等の農産品を含む株主優待制度(500株以上で設定)が個人投資家の保有誘因となっている。