東日本地所
Performance
株価チャート
業績・財務
業績・財務
| 売上高 | 55億円 |
| 営業利益 | 4億円 |
| 純利益 | 2億円 |
| 営業利益率 | 6.5% |
| ROE | 22.7% |
| ROA | 9.2% |
| 自己資本比率 | 40.7% |
| 総資産 | 27億円 |
| 純資産 | 11億円 |
業績推移
売上・利益の推移
ROE・ROA の推移
詳細指標
詳細指標
| ROIC | — |
| ROE | — |
| ROA | — |
| FCFマージン | — |
| 粗利益率 | — |
| 営業利益率 | — |
| 営業CFマージン | — |
| 配当性向 | — |
| 配当成長率(3年) | — |
| Net Debt/EBITDA | — |
| 実効税率 | — |
| 自社株買い傾向 | — |
バランスシート
バランスシート
| ネットキャッシュ | -11億円 |
| NC比率 | -63.4% |
| 流動資産 | 32億円 |
| 有価証券 | — |
| 現金 | 15億円 |
| 負債総額 | 26億円 |
| 時価総額(BS時点) | 17億円 |
企業レポート分析
ビジネスモデル
株式会社東日本地所(139A)は2016年9月に埼玉県さいたま市で設立された不動産会社で、2024年2月にTOKYO PRO Marketに上場した。主力事業は「戸建賃貸建築事業」で、土地活用を検討する地主系オーナーや投資家に対して戸建て賃貸住宅の建築を提案し、入居者募集から竣工後の管理までをすべて自社で完結させるワンストップモデルを構築している。 主力商品「グランソフィア」シリーズは、敷地面積約100㎡の土地に住戸面積75〜90㎡・間取り3LDK〜4LDKの規格型戸建て賃貸を建築するもので、庭や2台分の駐車場を標準装備し、高所得層ファミリーを主要ターゲットとしている。本体価格は1棟1,400〜1,500万円、表面利回りは8%前後を目安とし、入居率97〜98%を維持することでオーナーへの訴求力を高めている。 建築事業の他に、ハウスドゥFC加盟を通じた不動産売買仲介事業と賃貸管理事業を展開する「建築・不動産事業」セグメントが中心で、2024/8期時点でセグメント売上43億7,900万円と事業の9割以上を占める。商圏は東京外環自動車道から首都圏中央連絡自動車道の間を主戦場とし、埼玉県内4拠点・東京府中1拠点を持つ。
主要KPI
最重要KPIは年間着工棟数と入居率で、設立10年目(2026年時点)で累計820棟の建築実績を持ち、2024/8期には着工177棟(前年比6割増)を達成した。会社側は2025/8期に203棟以上への拡大を計画していた。入居率は97〜98%を安定維持しており、これがオーナーへの最大の訴求指標となっている。 財務面では、売上高は2021/8期の17億21百万円(単体)から2025/8期の55億48百万円(連結)まで4年間で約3.2倍に拡大し、年平均成長率は約34%に達する。営業利益は2022/8期の2億40百万円から2025/8期の3億60百万円まで増加しているが、売上成長に比べて利益率は低下傾向で、2023/8期9.3%→2024/8期7.2%→2025/8期6.5%と推移している。1棟あたり建築単価は1,400〜1,500万円、平均賃料は月額約15万円で、施工費の内製化(現場監督6名自社雇用)による原価管理がKPIとなっている。 従業員数は上場時の97名から2025年時点で約130名に拡大しており、5年以内に200名超を目標としている。
成長ドライバー
第一の成長ドライバーは戸建て賃貸市場そのものの需要拡大で、コロナ禍以降の在宅勤務普及や住環境の質重視傾向の高まりにより、集合住宅との差別化を求めるファミリー層の需要が増加している。黒岩社長は「住まいの環境や設備を求める時代になったのではないか。そのニーズに当社の戸建て賃貸が合致した」と述べており、実際に2024/8期の着工数は前年比60%増を達成した。 第二のドライバーは営業拠点の拡充で、川口支店・新越谷支店の開設など首都圏北部エリアへの展開が着工数拡大に直接寄与した。第三は上場による資金調達力と社会的信用の向上で、金融機関からの資金調達を増やして建築件数の拡大につなげる戦略を取っている。第四はハウスドゥFCを通じた不動産売買仲介事業の育成で、2024/8期には年間195件の仲介実績を上げており、建築事業からの出口としての売買・賃貸管理がシナジーを生む複合事業モデルへの転換が進んでいる。 2026年3月の臨時株主総会ではストックオプション(新株予約権370個、普通株式37,000株分、1株権利行使価額3,657円)を役員・従業員に付与することを決議しており、人材確保・インセンティブ強化も成長戦略の一環となっている。
リスク
最大のリスクは金利上昇・建設コスト高騰による投資採算の悪化で、ウッドショック以降の建材価格高騰により同社はすでに販売価格を15%引き上げており、さらなるコスト増があれば価格競争力や表面利回りの維持が困難になる可能性がある。第二のリスクは建築業界の人材不足・職人不足で、施工件数を拡大する上で協力業者の確保が課題となり、工期遅延や品質低下のリスクがある。 第三は地価上昇によるオーナー側の土地活用意欲低下や仕入れコスト増加で、同社の主力顧客である地主系オーナーが費用対効果を見直す可能性がある。第四は特定地域・商品への依存リスクで、売上の約7割を占める戸建て賃貸建築事業、かつ埼玉県内に主力拠点が集中しているため、同エリアの景気悪化や需要変化の影響を直接受ける。 第五はコーポレートガバナンスリスクで、2024年8月に取締役辞任が発生しており、2025年11月の支配株主等に関する事項について開示など、オーナー企業としての経営体制に課題が見られる。また資金繰りリスクとして、2024年12月にコミットメントライン契約締結、2025年11月に資金借入のお知らせが続いており、建設請負の前払い・後受け構造における運転資金管理が重要課題となっている。
競合
戸建て賃貸建築市場では、東建コーポレーション・積水ハウス・大東建託などの大手ハウスメーカーがアパート・戸建て賃貸を展開しているが、東日本地所は埼玉県首都圏北部エリアに特化したニッチ戦略で差別化している。黒岩社長が元々大手不動産会社でアパート提案をしていた際に常に戸建て賃貸に負けていたと語るように、戸建て賃貸という形態自体が集合住宅に対する構造的な優位性を持つ。 地域密着型の競合としては地元工務店や中小不動産会社があるが、企画から建築・リーシング・管理までを一貫して提供するワンストップ体制は規模の小さい業者には難しく、ブランド商品グランソフィアによる規格化と品質管理が参入障壁となっている。ハウスドゥFC加盟による売買仲介事業は全国FCネットワークの集客力を活用しつつも、地域に根差した独自性を加えたハイブリッド戦略である。 競合他社比較では土地オーナーへの利回り提案力(表面利回り8%前後)と高入居率(97〜98%)の組み合わせが評価上の優位に働くと考えられる。一方で規模の面では大手ハウスメーカーとは大きな差があり、認知度・ブランド力・資金力での劣後は否めない。
バリュエーション
東日本地所はTOKYO PRO Marketに上場しており、一般投資家向け市場(プライム・スタンダード・グロース)ではないため流動性は低く、株価情報は限定的である。財務指標から評価すると、2025/8期の売上高55億48百万円・営業利益3億60百万円・当期純利益2億49百万円となっており、ストックオプションの権利行使価額3,657円を基準に株式価値を推計すると数十億円規模と見られる。 業績面では売上高がほぼ毎年30〜40%成長を続けているが、営業利益率は9.3%(2023/8期)から6.5%(2025/8期)へと低下傾向にあり、成長投資(人員増・拠点拡大)と建材コスト増が利益率を圧縮している。同社のビジネスモデルは建築請負のスポット売上主体であり、ストック型収益(賃貸管理・仲介手数料)の比率は相対的に低く、バリュエーション倍率は高成長不動産会社の基準では低めに評価されやすい。 将来的に一般市場への上場を目指すと経営者が述べており、その際の株式流動性向上とバリュエーション再評価が株主にとって潜在的なアップサイドとなる。1株配当は2024/8期・2025/8期ともに40円(分割調整後)で、成長投資優先のスタンスが配当政策にも反映されている。