TANAKEN
Performance
株価チャート
業績・財務
業績・財務
| 売上高 | 148億円 |
| 営業利益 | 22億円 |
| 純利益 | 15億円 |
| 営業利益率 | 14.7% |
| ROE | 16.1% |
| ROA | 12.3% |
| 自己資本比率 | 76.6% |
| 総資産 | 122億円 |
| 純資産 | 93億円 |
業績推移
売上・利益の推移
ROE・ROA の推移
詳細指標
詳細指標
| ROIC | — |
| ROE | — |
| ROA | — |
| FCFマージン | — |
| 粗利益率 | — |
| 営業利益率 | — |
| 営業CFマージン | — |
| 配当性向 | — |
| 配当成長率(3年) | — |
| Net Debt/EBITDA | — |
| 実効税率 | — |
| 自社株買い傾向 | — |
バランスシート
バランスシート
| ネットキャッシュ | 5億円 |
| NC比率 | 4.5% |
| 流動資産 | 106億円 |
| 有価証券 | 4億円 |
| 現金 | 30億円 |
| 負債総額 | 29億円 |
| 時価総額(BS時点) | 117億円 |
企業レポート分析
ビジネスモデル
TANAKEN株式会社(旧社名:田中建設工業株式会社、2018年東証スタンダード上場)は、建築構造物の解体工事の施工管理に特化した単一事業会社であり、売上の100%を解体事業が占める。事業領域は解体工事を中核に、土木工事、土壌・地下水の浄化工事、リサイクル事業まで一貫対応するワンストップソリューションを提供し、元請け比率が高いことが特徴。本社は東京都港区東新橋(汐留)に構え、主に首都圏を中心とした都市部の大型・高難易度案件を手がける。 代表的な実績としてホテルオークラ東京本館の解体工事が挙げられ、高い技術力と安全管理の実績が評価される。スリーハンドレッドホールディングス株式会社が59.55%の株式を保有する連結子会社的ポジションながら、独自の上場企業として透明性あるガバナンスを維持。ISO9001(品質)、ISO14001(環境)、ISO45001(労働安全衛生)の3つの国際認証を取得し、品質・環境・安全の高水準マネジメント体制を確立している。 従業員数は102名と少数精鋭であり、平均年収703万円と建設業界では高い水準を維持する。
主要KPI
最重要KPIは売上高(2025年3月期:122.9億円、2026年3月期予:140億円)と営業利益率(2025年3月期:18.95%、2026年3月期予:12.14%)であり、中期経営計画では最終年度に売上高140億円達成を掲げる。受注環境の指標として工事受注高・受注残も重要であり、老朽化建物増加・都市再開発・マンション建替えの市場背景を受け堅調な受注が続く。財務的KPIとしては自己資本比率(2025年3月期:72.2%)が高く、有利子負債残高ゼロという極めて健全な財務体質を維持している。 EPS(2025年3月期:181.21円)は過去最高を更新し、ROE19.17%・ROA13.85%と資産効率も良好。営業CF(2025年3月期:21.4億円、マージン17.43%)は強固なキャッシュ創出力を示す。1株配当は2025年3月期55円(配当性向30.4%)と安定的な株主還元を実施、配当利回り予3.9%と高配当銘柄に位置づけられる。 2026年3月期は売上高増加(+14%)の一方、営業利益は前期比27%減益予想で原価率上昇が課題となっている。
成長ドライバー
最大の成長ドライバーは、高度経済成長期(1960〜1970年代)に建設された老朽化建物の大量解体需要であり、今後20〜30年間にわたる構造的な需要増加が見込まれる。都市部における再開発プロジェクト(街地再開発)やマンション建替えの活発化も需要を押し上げており、2025年3月期の売上は前期比15%増の122億円を達成した。 近年は大型工事・高難易度工事の案件増加傾向が強まり、2026年3月第2四半期には「業務サポート本部」を新設し、大型工事及び高難易度工事の増加に伴う営業・施工・管理業務全体をサポートする体制を強化した。土壌汚染調査・土壌浄化工事・リサイクル品開発などの付帯事業へのワンストップ展開も、単価向上と差別化要因として機能する。 解体工事は許認可(建設業許可:国土交通大臣特定第16351号)を必要とする参入障壁の高い事業であり、首都圏での豊富な施工実績と高い技術力・ブランド力が案件獲得の強みとなっている。中期経営計画最終年度の売上高140億円目標達成に向け、大型案件への対応体制強化と営業力強化策を推進中である。
リスク
最大のリスクは建設資材費や外注費の上昇による原価率悪化であり、2026年3月期は前期比で原価率が上昇し営業利益が前期比27%減(17億円)になる見通しである。2026年第3四半期累計(4〜12月)では売上高107.5億円(+22.5%増)の一方、営業利益15.4億円(-10.9%減)と利益面での圧迫が顕在化している。人材不足リスクも深刻であり、建設業界全体の高齢化・担い手不足が進む中、102名という少人数体制での大型工事対応能力には制約がある。 事業エリアが首都圏に集中していることによる地域集中リスクがあり、大規模地震等の自然災害が施工能力に重大な影響を与えるリスクがある。解体工事は近隣環境(騒音・振動・粉塵)への影響が大きく、施工上のトラブル・事故が社会的信用に影響するリスクがある。法規制面では建設業許可・産業廃棄物収集運搬業認可等の各種許認可の維持が事業継続の前提であり、規制強化や環境規制の強化が事業コストを押し上げる可能性がある。 主要株主スリーハンドレッドホールディングス(持株比率59.55%)の経営方針変更が少数株主利益に影響するリスクも存在する。
競合
解体工事業界における主要競合はベステラ(1433)、岐阜造園(1438)等の上場解体関連企業に加え、大手ゼネコンの解体部門が挙げられる。TANAKENの競合優位性は、解体工事の施工管理に特化した専業特化戦略と元請け比率の高さにあり、首都圏都市部での大型・高難易度案件における豊富な実績と専門性は差別化要素となっている。ISO認証3点取得(品質・環境・安全衛生)は顧客への信頼性向上に寄与し、特に環境配慮要求が高まる大型再開発案件での競合優位要因となる。 建設業時価総額ランキングでは154社中113位(FISCO)と中小規模ながら、売上規模と比較した利益率の高さ(営業利益率2025年3月期18.95%)は業界内でも際立つ水準である。土壌汚染浄化やリサイクル事業のワンストップ提供は、単純な解体工事専業者との差別化を図る付加価値戦略であり、案件単価向上に寄与する。業界の参入障壁(許認可・技術・実績蓄積)が高く、特に首都圏大型案件への参入は容易ではないため、既存プレーヤーの競争地位は比較的安定している。 従業員102名と規模が小さいため複数の大型案件同時受注能力では大手に劣るが、業務サポート本部設置など組織的対応能力の向上を図っている。
バリュエーション
PER10.22倍(2026/03予)はスタンダード市場・建設業の平均水準と比較して割安感があり、過去の変動レンジ(2019〜2025年:5.39〜13.24倍)の中間的水準に位置する。PBR1.39倍(実績)は2019年以降の1.03〜2.72倍のレンジ内にあり、BPS1013.67円(2025年3月期末)と着実に成長するロープライスドネットアセットが下値を支える。自己資本比率72.2%・有利子負債ゼロという強固な財務基盤と現金39.4億円(2025年3月期末)の豊富な手元流動性はバリュー面での安全マージンを提供する。 配当利回り予3.9%(55円/株)は高配当銘柄として評価され、配当性向30.4%と余裕のある水準から今後の増配余地もある。時価総額122億円は売上高122億円と概ねPSR1.0倍圏内であり、割高感はない。2026年3月期の営業利益大幅減益(-27%)予想が株価の重荷となっており、本決算(2026年5月8日予定)での実績確認と次期業績見通しが評価の焦点となる。 中期計画最終目標の売上高140億円達成(2026年3月期の計画値でもある)後の次の成長ストーリー提示が中長期の再評価トリガーとなり得る。